<米男子ゴルフ:カナダ・オープン>◇初日◇26日◇カナダ・アンカスター、ハミルトン・クラブ(6966ヤード、パー70)

 石川遼(20=パナソニック)が、今季米ツアー自己ベストタイの15位発進を決めた。12ホール終了時で1オーバーと苦しんだが、終盤6ホールで3連続を含む4バーディーを奪取。同ツアーで7ラウンドぶりのアンダーパーの3アンダー、67で首位と5打差の好位置につけた。予選落ちの先週全英オープンから巻き返しだ。今田竜二(35)は70で66位。スコット・ピアシーが8アンダー、62で首位に立った。

 このままじゃ終われない。1オーバーで迎えた後半4番パー5(542ヤード)から、石川が反撃を開始した。ドライバーの第1打で316ヤード先のフェアウエーをキープ。グリーンまで残り207ヤードから6番アイアンでピン下7メートルへ。イーグル逃しのバーディーだ。

 「大きかった。それまでの3ホールで2オーバーだったけど、そういうのを感じないショットが続いた。1ホールでスイッチを変えられた」

 勢いに乗って5番で1・5メートル、6番で4メートルを沈め、3連続バーディー。8番では8メートルのロングパットをねじ込むバーディーを決めた。会心の終盤6ホールで巻き返し、67でアンダーパー圏内でフィニッシュし、首位と5打差15位で初日を終えた。

 来季の米ツアー本格参戦を前に、厳しさを味わっている。6月中旬の全米オープンで15位発進から崩れ、先週の全英オープンまで出場3戦連続予選落ちを喫した。全英では「このぐらいしかできないのか?」とこぼすほど落ち込んだ。

 今週は気持ちを切り替えている。「全英は今の力でどこまでできるかの挑戦でショックだった。今週は自分のゴルフを極めたい。目指す最終的な形が、この数カ月でぼやっと見えてきた。それができた時に勝てると思う」。5月クラウンプラザ招待~6月トラベラーズ選手権に続き、自己最長タイの米ツアー5連戦の2試合目。内容の濃い初日に、石川の表情は満足そうだった。