茂木宏美(38=アース製薬)がツアー制度施行後6人目の「ママさんV」へ好位置につけた。

 4バーディー、1ボギーの69で回り、通算5アンダー、139でトップタイに浮上し「毎日60台で回るのが目標だったので、90点をあげたい」と満足げに笑った。

 14年2月に長女和奏(わかな)ちゃんを出産。4カ月の産休を経て競技に復帰したが、体の変化に戸惑った。特に肩回りの関節が柔らかくなり「今までのアドレスで構えるとボールとの距離が詰まるというか、しっくりこなくなった」。以前と同じように打ちたがる自分がいる一方で、違和感を拭い切れない。「体がバラバラになったような感覚だった」と振り返る。

 出産以前から使用していた「リアライン・バランスシューズ」という器具を使ったトレーニングや構えた時の前傾姿勢の角度を調整し、現在の体に合ったアドレスを模索してきた。「やっと『こうすればいい』という手応えを感じられて、光が見えてきた」のは10月のスタンレー・レディースから。今では「1年でも長く現役を続けるためには必要なことだった」と苦しんだ時間を受け入れている。

 「今やっていることをやり切ることに専念することが大事」と控えめに話しつつ、ツアー通算7勝目への思いは強い。「優勝するために戦っているし、のどから手が出るほどほしい。主人がベビーシッターとして頑張ってくれているので、優勝という形で恩返ししたい」。トップで並ぶ渡辺彩香(22=ユピテル)、アマチュアの畑岡奈紗(16=茨城・翔洋学園高2年)との最終日最終組対決は、家族のためにも負けられない