松山英樹(24=LEXUS)が首位と5打差9位で、メジャー3大会ぶりの予選通過を決めた。2番パー4でイーグルを奪う一方、バーディーパットが決まったのは15回で3度だけ。苦しみながらの67で通算4アンダー136とした。

 2番パー4のグリーン脇のスタンドで、ギャラリーが大歓声を上げた。松山も跳びはねんばかりに力強く両手を突き上げた。圧巻のイーグルに、メジャー会場が沸き返った。

 「それなりの弾道で、それなりに入りました」。フェアウエーからピンまで残り130ヤード。素振りを3度、しっかりイメージを作って放ったピッチングサンドの一振りは、絶妙のスピン量でピン後方に落ち、下り傾斜で5ヤード戻ってカップに消えた。米プロゴルフ協会の公式サイトでも動画で紹介されたほどで、今季苦しみ抜くアイアンショットを完璧に決めた。

 正反対の苦悶(くもん)もあった。最終18番で5メートルを沈めるまで、長くて7メートルのバーディーチャンスを8番から10回連続で外した。15番では思わず舌打ちが出た。「う~ん…パットの問題もありますけど、ショットがグリーンには乗るけど、思い通りのものがほとんどなかったので」。6番のバーディーは第2打をピン60センチにつけたものだが、フィニッシュで両手を離してクラブを落とすほどのミス。結果オーライのショットが多く、グリーン上に集中できなかった。

 全米、全英両オープンと続いた予選落ちを止めた。「そこは素直にうれしいです」。ショット、パットがかみ合わないままの首位と5打差。裏返せば、それが松山の地力だ。念願の日本男子初のメジャー優勝へ、スイッチが入れば…。少なくともメジャー自己最高の5位(15年マスターズ)以上は見えてきた。爆発の予感を漂わせ、残り2日に突入する。【加藤裕一】