<米男子ゴルフ:全英オープンアジア最終予選>◇最終日◇1日◇タイ・アマタスプリングGC

 東北福祉大3年の松山英樹(21)が、通算9アンダー135の2位で、本大会出場権を獲得した。

 序盤の4番パー4でボギーをたたく苦しい立ち上がり。しかり5番パー3で左からの10メートル、6番パー4で手前から8メートルとロングパットを沈めて連続バーディーを挙げ、流れに乗った。

 11番までに同11アンダーまで伸ばし、早々に“安全圏”に。だが終盤に崩れて出場権を逃した昨年同様、最後の最後で試練が訪れた。16番パー4。フェアウエーからの第2打で、突然アイアンがひっかかり、グリーン左の斜面へ。難しいアプローチを寄せきれず、ボギーとしてしまった。

 続く17番パー3。ピンまで153ヤードを、松山はピッチングウエッジで狙った。むしろ短い番手にみえたが、アドレナリンが出ていたのか、完璧なスイングで放ったショットは、約170ヤード飛んでグリーン奥のブッシュに飛び込んだ。このホールのダブルボギーで、「出場圏外」の5位との差が、あっという間に2打にまで縮まった。

 昨年は最終18番パー4で、トリプルボギーをたたいて敗退した。同じようにトリをたたけば、再び出場権を逃してしまう。嫌な流れの中で迎えた第1打で、松山はこの日1番のドライバーショットを放った。

 さらに残り140ヤードの第2打は、ピンまで10センチのスーパーショット。「コースにリベンジしたい」との言葉通り、自分の力で英国行きのキップをもぎ取った。そして、技術的にも精神的にも、昨年より大きく成長していることを、見るものに印象づけた。