遼クンの活躍には約200億円の経済波及効果があった!

 関西大大学院の宮本勝浩教授は8日までに、石川遼(17=パナソニック)のプロ転向後の経済波及効果を試算し、202億1100万円になるとはじきだした。プロ1年目の石川は、1人でプロ野球の1球団の優勝に匹敵する経済効果を生みだしていたことになる。石川はこの日、都内で日本ゴルフツアー機構(JGTO)の表彰式に出席し、最優秀新人賞、MIP賞とゴルフ記者賞を受賞した。

 毎年のようにプロ野球の優勝による経済波及効果を公表している宮本教授は、約202億円とはじきだした石川のプロ転向後の経済波及効果について「驚嘆に値する」と驚いていた。

 同教授によると、約202億円の経済波及効果は巨人や阪神など人気球団の優勝時には及ばないものの、プロ野球の1球団が優勝したときに匹敵。同教授は「70人前後のプロ野球の選手による優勝の経済波及効果を、17歳の少年がたった1人でもたらしたことは驚嘆に値する」と話した。

 同教授の経済波及効果は(1)石川とスポンサーとの契約金(2)男子ツアーのギャラリー数の前年比の増加分(3)「石川効果」によるゴルフ用品やグッズの売り上げの増加分(4)男子ツアーの賞金総額の前年比の増加分などからはじきだされている。

 同教授らの調べによると、パナソニックやヨネックスなどとの契約金(1)は約23億円。ギャラリー数が前年比約10万人増となって、増えたチケット代や交通費、飲食費などの出費(2)は14億6730万円。ゴルフ関連のグッズなどの売り上げは総売り上げ約2400億円のうち約2%が「石川効果」で売れた(3)と仮定して48億円。ツアーの賞金増額分(4)は5億9000万円として試算している。

 (1)~(4)を足して得られる「直接経済効果」は91億5730万円。これを「平成12年日本産業関連表(内閣府)」を使って計算すると1次波及効果と2次波及効果が出て、トータルで約202億円の経済波及効果となるという。これにはテレビ放送の際のスポンサー増加や新聞、雑誌、インターネットなどによる宣伝広告効果は含まれていない。

 同教授は「スポーツ界のみならず、あらゆる分野で若い力の台頭がその分野の活性化につながる。すべての分野で『石川遼』君が出て、活躍することが望まれる」と話している。