<米女子ゴルフ:全米女子プロ選手権>◇最終日◇27日(日本時間28日)◇ニューヨーク州ピッツフォード、ローカストヒルCC(6506ヤード、パー72)◇賞金総額225万ドル(約2億250万円)優勝33万7500ドル(約3037万円)

 【ピッツフォード=木村有三】宮里藍(25=サントリー)が猛烈な追い込みで、メジャー自己最高位タイの3位に入った。24位から7バーディー、1ボギーのメジャー自己ベスト66で回り、通算5アンダーの283。クリスティ・カー(32=米国)の優勝で、世界ランク1位からは1週間で陥落したが、初日97位から驚異的に巻き返し、賞金ランク1位を守った。7月8日開幕の全米女子オープン(オークモントCC)で再度メジャー制覇&世界女王奪回を目指す。

 首位カーとの差は遠く離れていても、宮里は自分のプレーに徹した。「リラックスしながら、楽しく回れた」。終わってみればメジャー自己ベストの66。順位もメジャー自己最高に並ぶ3度目の3位。賞金ランク1位も死守し、日焼けした顔をほころばせた。

 朝、携帯電話で米ツアーのホームページを見た。「カーが優勝した場合、単独2位に入らなければ世界ランク1位から落ちる」という情報を知った。それでも、心は揺るがない。「(抜かれても)かまわないと思った。自分のベストプレーをすればいいと思った。結果的に、いい集中力につながって良かった」。4メートルを沈めた5番からの3連続バーディーで波に乗った。

 初日は心が揺れていた。前週今季4勝目を挙げ世界ランク1位に浮上したことで、米メディアの注目度も上昇していた。「世界1位になって初めての試合だし、無意識にいろんな事を考えていたのかも」。97位と出遅れた理由に気づくと「どんな状況でも、自分がやるべきことをやる」と言い聞かせ、頭の中をクリアにした。今季最終日の平均スコアは昨季の70・8を上回る68。今年の宮里は大会期間中に心や技術に問題が生じても、最終日までに修正する能力を備えている。

 世界ランク1位からわずか1週間で2位に陥落。上位は混戦模様で、「誰かがメジャーに勝てば逆転される。いい意味で刺激的」と宮里はいう。次戦は7月8日開幕の全米女子オープンだ。