<男子ゴルフ:チャレンジトーナメント・富士可児チャレンジ>◇初日◇26日◇岐阜・富士可児・志野C(7117ヤード、パー72)◇賞金総額1000万円(優勝180万円)

 元巨人のエース投手、桑田真澄氏(43=野球評論家)が、プロゴルフツアーデビュー戦で“KO”を食らった。男子下部チャレンジトーナメントに主催者推薦アマチュアとして初参戦し、21オーバーの93をたたいて最下位151位発進。ティーショットが乱れ、14番パー4で「8」、16番パー4で「9」など後半インは50と大きく崩れた。東聡(50)ら7人が4アンダーの68で首位に並んだ。

 プロ野球界の元スターも、散々なスコアに苦笑いを浮かべるしかなかった。

 「3点取られて、もう後がない状況なのにボール、ボールと続いて、打ち取ったと思った球がポテンヒットになって、最後にガツンとホームランを打たれたような感じですね」。

 楽しみにしていたデビュー戦で、桑田氏は「93」と大崩れ。バーディーは1個も奪えず、パーは7個。6ボギー、3ダブルボギーだけにとどまらず、8も9もたたくメロメロの内容で、最下位151位に沈んだ。

 いつも仲間でやるゴルフと、試合とでは大きく違った。「すごい緊張感だった。現役を退いてからは初めてというくらい緊張した」。スタートの1番こそ同組のプロ3人より飛ばしてパー発進したが、その後はショットが乱れ続けた。後半14番では、右に曲げた第1打が見つからず紛失球となって「8」。16番では第1打を左となりのホールまで曲げて「9」をたたいた。「あの2ホールはちょっと後悔しています。まだ技術力がない。長い18ホールでした」。ベストスコア70の実力を発揮できず、さすがに悔しさものぞかせた。

 50歳でプロになることを目指し、真剣に始めた競技ゴルフ。その根本には、野球界への思いもある。「僕は野球人だから、ゴルフで学んだことを野球に生かしていきたい」。だからこそ、屈辱を味わっても、目を輝かせて前を向く。幸いにも、アマチュアは出場3人全員が最終日に進める。「野球界と同じように、ゴルフも厳しい世界。でも、挑戦していくのはスポーツの醍醐味(だいごみ)ですから」。野球界で鍛えた心は、簡単に折れはしない。【木村有三】