<米男子ゴルフ:プエルトリコ・オープン>◇第3日◇9日◇プエルトリコ・リオグランデ、トランプ国際GC(パー72)

 石川遼(21=フリー)がホールインワンを含む2イーグル、4バーディー、2ボギーの66で回り、通算204の12アンダーで、首位と6打差の8位に浮上した。8番パー3で米ツアー初、自身3度目となるホールインワンを達成。昨年2位となった験の良い大会で調子を取り戻し、初優勝を狙える位置まで上がってきた。

 183ヤードの8番パー3。ピンに向かって真っすぐ飛んだボールは2メートル手前に落ち、そのままラインに乗ってカップイン。「入った!」という声に、両手を挙げて応えた。スイングは「失敗」だった。6番アイアンを振り抜いた直後、両手を離して落とした。右からのドローボールで狙うはずが「打つちょっと前の瞬間、左に行きそうな気がした。だから、クラブから手を離してアジャストした」と言った。

 ホールインワンは10年9月のパナソニック・オープン、11年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来、ツアー通算3度目。米ツアーでは初だ。「ホント、運がある。ただのラッキー。あ~、ついてるな、まさか入るとは」。

 15番パー5でもイーグル。第2打で残り260ヤードを3番ウッドで2オン。4・5メートルを沈めた。「3番ウッドで30ヤードスライスさせて乗せられた」。上がりの17、18番も連続バーディー。17番では残り40ヤードのバンカーショットを4メートルに、18番では残り70ヤードを30センチに寄せた。

 下半身の動きを抑えるスイング改造が復調の鍵。「185ヤードを5番アイアンで、アプローチみたいな感じで距離感が出せる。200ヤード先のターゲットでもアプローチだと思ってアイアンを打てる」と言った。パットも1日ごとに上向いている。「昨日より、今日の方が内容が良くなった」。昨年は2打差2位、今年も再び優勝戦線に割って入る。「首位より先にスタートするので、前半でスコアを伸ばせばチャンスはある」と、米ツアー初Vへ、アプローチは万全だ。【小谷野俊哉】