<女子ゴルフ:フジサンケイ・レディース>◇最終日◇28日◇静岡・川奈ホテルGC富士C(6367ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝賞金1440万円)

 首位スタートの佐伯三貴(28=日立アプライアンス)が6バーディー、1ボギーの67で回り通算14アンダー、202で優勝した。先週のKKT杯バンテリン・レディースに続く2週連続で通算7勝目、今季の賞金ランクトップに立った。今大会はプロ入り初勝利以来、6年ぶり2度目の優勝。91試合連続予選通過のツアー最長タイ記録をつくった横峯さくら(27=エプソン)は、通算11アンダーで2位となった。

 佐伯が強さを見せつけた。前半で4バーディーを奪い、通算13アンダー。逆転を狙う横峯、姜らも伸ばしたが、その上を行った。後半も2バーディーを奪い、14アンダーでフィニッシュ。1度も首位を譲らずに、昨年優勝の大江香織の9アンダーを5打も更新する、川奈での大会の新記録だ。「途中で、ぶっちぎってやろうと思いました。いいゴルフができました」と納得の表情を見せた。

 東北福祉大の後輩、松山英樹(21)のプロ初優勝を知ると「本当ですか?

 すごい、東北福祉大でダブル優勝!」。前週の日曜の夜、松山から優勝祝いの電話をもらった。「私も電話しなくちゃ。何でも、ごちそうしちゃう。迫力あるプレーをしますよね」と笑顔を見せた。

 昨年12月に頸椎(けいつい)ヘルニアの手術をして、オフはハワイで年越し。1月に松山のハワイ合宿に同行した東北福祉大の阿部監督に呼び出された。「私はゴルフができないときだったんですけどね。息抜きにゲームをしたり、釣りに行きました。松山君、釣れなかったんですけど『帰ろう』って言ったら、釣れた。やっぱり、持ってます」と振り返った。

 首のケアのため練習量は4割に減ったが、集中してこなす。故郷・広島の先輩で男子永久シード保持者の倉本昌弘からは「調子がいいんだからガンガン行け。調子が悪くても、勝てるようになりなさい」と言い渡された。「賞金女王のことを考えるのは、まだ早い。それよりメジャー(国内公式戦)に勝ちたいですね」と、今季の3勝目に狙いを定めた。【小谷野俊哉】

 ◆女子ツアー連続優勝

 2週連続優勝は88年のツアー制施行後、29回ある。昨年はアン・ソンジュがニトリ・レディース、ゴルフ5レディースで達成した。3週連続優勝は07年の全美貞だけだが、出場した大会での3連続優勝は、福嶋晃子が97年に日本女子プロ選手権コニカ杯、雪印レディース東海クラシック、広済堂レディースで、宮里藍が05年の大王製紙エリエール・レディース、06年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯、宮城テレビ杯ダンロップ女子で達成している。