<米男子ゴルフ:ウィンダム選手権>◇最終日◇18日◇セッジフィールドCC(7127ヤード、パー70)◇賞金総額530万ドル(約5億3000万円)優勝95万4000ドル(約9540万円)

 【グリーンズボロ(米ノースカロライナ州)=加藤裕一】事実上の今季米ツアー最終戦で、石川遼(21=CASIO)の大逆転シード奪取はならなかった。最終日は67で通算5アンダーの26位。フェデックスポイント・ランクはシード圏の125位に届かない141位に終わった。シーズンを通じて不振を極めたパット。石川は、その遠因に深刻な腰痛があったことを明かした。シード奪取再挑戦の舞台は、29日からの下部ツアー入れ替え戦に移る。

 前半アウトで、海外の自己最長タイとなる4連続バーディーを決めた。15番パー5ではイーグルも奪った。スコアは67。それでも、ダメだ。石川は通算2アンダーの31位スタートから、最低でも「単独5位」への浮上がシードの条件だった。終わってみれば、ボーダー相当の3位タイは通算12アンダー。驚異のスコア60が必要だった。「4連続を決めた時は、さすがにピリッとしたんですけど」。奇跡の予感は一瞬だった。

 スポット参戦からシードを得て、本格参戦した1年目でシード落ち-。最大の原因はパットにある。昨季よりドライバーが安定、アイアンでフェード、ドローを自在に打ち分けるなど、ショットは向上したのに、パットが入らない。この日も序盤3ホールで3メートル、5メートル、4メートルのチャンスを外した。11番では2メートルをミスして「ガッ」と叫び、いらだちをあらわにした。

 「昨年の暮れから、完全に練習不足です。だから今季序盤からバラバラで…。パットは入らないと(悪い)連鎖が出てきますから」。蓄積疲労で腰痛が持病化し、今年1月に受けた検査では「筋肉の問題じゃなかった。骨が悪くなっていた」という。練習量は激減した。スタート前なら合計2時間半、うちパットに30分費やしていたのが、合計1時間でパットは10分に。ラウンド後も10分やるのが精いっぱい。「僕は今まで球打ってなんぼの練習をしてきた。泥臭くやってきた。それができないのは、自分の調整法として違うなと」。ショットは腰への負担の少ないスイングにスムーズに移行できた。腰の状態も6月にはほぼ回復したが、練習グリーンにいる時間が減った影響は大きかった。

 ほかに「こっちの舞台、雰囲気に慣れるのに時間がかかった」こと、今季が米ツアーの変革期で、来季が今年10月の開幕となり、シード確定の時期が1カ月以上早まったこと…。シード落ちの原因は多いが、その大部分は解消されてきた。

 来季のツアー出場権をつかむ舞台は、29日からの下部ツアー最終戦に移る。「1週間ある。リフレッシュして、調整したいことがたくさんある。でも、手応えはすごくあるから、楽しみです」。ショットは間違いなく、好調だ。パットが決まりさえすれば、今の石川には何の問題もない。

 ◆フェデックスポイント・ランク

 男子ゴルフPGAツアーのシリーズトーナメントで争われるポイント。各トーナメントでの上位70人に付加されるポイントで、ランキングが決定する。1月の現代自動車チャンピオンズから8月のウィンダム選手権まで、37試合がレギュラーシーズンの対象。さらに上位125位までは、シーズン王者を決めるプレーオフシリーズ(計4試合)に進出する。

 ◆石川が入れ替え戦でツアー出場権を得るには

 入れ替え戦(ウェブドットコムツアーのファイナル4試合)出場者は、下部ツアーの賞金ランク上位75人と、米ツアーのフェデックスポイント・ランク126~200位の計約150人。そこでファイナルのみの賞金ランクにより、下部ツアーのレギュラーシーズン賞金ランク上位25人を除いた上位25人に入れば、出場権が発生。計50人の賞金ランクが出場優先順位になる。4試合の賞金は各大会均一で賞金総額100万ドル、優勝者には18万ドル。