<米女子ゴルフ:全米女子オープン>◇最終日◇22日◇米ノースカロライナ州、パインハースト&リゾート(パー70)

 横峯さくら(28=エプソン)が、メジャー自己最高の7位に入った。最終日は71で通算4オーバー。逆転Vは届かなかったが「トップ5」を狙ったプレーをやり遂げた。メンタルトレーナーの夫森川陽太郎氏(34)との結婚後初海外遠征で成果を得て、今後も、メジャー制覇を目指す。

 夫と決めたゴールを横峯は一心不乱に目指した。9番パー3で、グリーン左前バンカーからピンをオーバー。グリーン右サイドにこぼれた。アプローチはピン上2メートルへ。下りのボギーパットを必死で決めた。「ダブルボギーにならず、次につなげられた」。気持ちは切れず、10番からの4ホールで3バーディーを奪った。

 首位と5打差で迎えた最終日だが「優勝は全然頭になかった」。狙ったのは「トップ5」。前日のスタート前、森川氏と決めた目標「トップ10」を修正した。「パープレーでよくない?」と言うと「トップ5にしよう」。「主人の意見に乗りました」と笑う。7位だったが、不満はない。

 メジャー18戦目のベストフィニッシュの背景には、心の変化もあった。海外ではスポット参戦の“お客様”だ。しかも英語を話せない。自分を卑下し、周囲に心を配ってきた。そんな負い目を一切捨てた。「戦いに来るのだから、そんなのいらない」と諭す夫の言葉に従った。結婚直前の4月、クラフト・ナビスコ選手権では、ルームサービスを自ら英語で懸命に注文していた。だが今回は戦いに集中し、われ関せずで夫に任せたきり。「頭で分かっていても普通そうはいかない。すごい。僕にはできない」と、森川氏が苦笑いするほど見事に変身した。

 今季の残りメジャーで出場の可能性があるのは、9月11日開幕のエビアン選手権。出場が決まれば目標設定が始まる。「まず予選通過。次にトップ10」という横峯だが、最終日を前に優勝争いに身を置いていれば…。「それはもちろん!」。メジャー優勝の夢は続いていく。【加藤裕一】