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真央、連覇へSP首位/フィギュア
- 女子SPで演技する浅田真央(撮影・田崎高広)
<フィギュアスケート:全日本選手権>◇27日◇大阪なみはやドーム
女子SPで浅田真央(17=中京大中京高)が今季の公式戦で1度も成功していなかった3回転フリップ-3回転ループの連続ジャンプを決め、72・92点の“世界新”をたたき出し首位に立った。国際大会ではないため参考記録扱いだが、3月の世界選手権で金妍児(17)が記録した71・95点を上回り、完全復活と2連覇へ前進した。
72・92点-。“世界新”を示す得点が画面に映し出されると、浅田真は心からの笑みを浮かべた。最初の3回転フリップ-3回転ループを、ついに決めた。細かいミスはあったが、今季最高のデキに「得点にはすごくビックリした。(連続3回転を)克服できてよかった…」。言葉には実感がこもっていた。
苦悩の道のりを乗り越えた。今季の公式戦3戦のSPですべて失敗している連続3回転。早朝の練習で成功させた勢いで見事に着氷してみせた。その後は表現力豊かな滑りで観客を魅了。会場のスタンディングオベーションを全身で受け止め「(これまで)大きな失敗があったので、すごく自信になりました」と力強く話した。
得意のはずのSP、得意のはずのジャンプで陥った不振。「何度も失敗して、自分の気持ちも追い込んできていた。跳ばなきゃと考えすぎていてマイナス思考ばかりでした」。極限まで追いつめられた「天才」が取った気分転換法は意外なものだった。
「お母さん(匡子さん)に何かを変えてみなさいと言われたので」。今季、SPで使用していた青色の衣装を、この日から白を基調に青が入った新衣装に変更。本来は姉舞のために作られたものだったが「自分に似合っていると思ったので。どうしても何かを変えた方が良くなるかな、と思った。気持ちを衣装で入れ替えたのは初めて」。家族の思いがつまった「戦闘服」が復活への布石となった。
同い年のライバル金が持っていた女子SPの世界最高得点を参考記録ながら上回った。だが、当然満足はしていない。「連覇はしたい。でも、それは忘れて明日(のフリー)は一からやろうと思う。今季最高の得点を出したい」。全日本連覇、そして前回は銀メダルに終わった世界選手権で悲願の金メダルを成し遂げた時に、真の完全復活の瞬間が訪れる。【菅家大輔】
[2007年12月28日8時40分 紙面から]
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