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美姫連続3回転決めた!/フィギュア

女子SPで演技する安藤美姫(撮影・田崎高広)
女子SPで演技する安藤美姫(撮影・田崎高広)

<フィギュアスケート:全日本選手権>◇27日◇大阪なみはやドーム 

 傷だらけの美姫が逆転優勝へ望みをつないだ。「最後の最後で疲れてしまった」。ラストのスピンで軸の右足がぐらつき、体がよろめいた。それでもSPでは今季初めてとなる連続3回転ジャンプを決め、オペラ「サムソンとデリラ」の調べに乗せて銀盤を舞った。「楽しく滑れた」の言葉通り、顔には笑みがあった。

 愛らしい笑顔の裏で、体は悲鳴を上げていた。10月の日米対抗で強打した古傷の右肩は「血がたまっている状態。手術じゃないと(完全には)治らない」という。大会前に潤滑剤を注射して、何とかこの日のリンクに立った。NHK杯で痛めた右太ももに施したテーピングは「(観客に)見えるからイヤ」と1度は拒否したが、医師に「巻かないと次は股関節を痛める」と説得され、しぶしぶ巻いたものだった。世界女王として、氷の上で弱さを見せたくはなかった。

 浅田真より先に演技を終えると「気にしても仕方ない」と、ライバルの演技を見ることなく引き揚げた。首位とは4・24点差。たとえ2位でも、連覇を狙う来年3月の世界選手権への切符を手にできるが、狙うは逆転Vだ。「いいフィーリングでいける」。表彰台の中央で07年を終えるためにもう1度、痛む体を奮い立たせる。【太田尚樹】

[2007年12月28日8時57分 紙面から]

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