どれだけ強いチームでも、前年から上積みのない戦力で連覇を達成するのは容易ではありません。他球団から軒並みマークされる中で、どれだけ“新戦力”を作り出せるか。その点、今年の阪神は高橋投手がもたらしたプラスアルファが優勝の最大要因だったと言えるのではないでしょうか。
特に前半戦の彼の貢献度は言葉では表現できません。開幕から最初の先発5試合で4完封。開幕10連勝という記録もさることながら、投手全体がまだ苦しい時期に先発陣、リリーフ陣の両方をカバーし続けた投球内容はまさに出色でした。村上投手、才木投手の両エース格がなかなか本来の実力を発揮できず、クローザーも岩崎投手とドリス投手の併用などで定めきれていなかった頃、もし高橋投手がいなかったらと想像したらゾッとします。
高橋投手は左腕に5度もメスを入れた苦労人です。直近の5年間で最多登板は昨季の8試合。そんな“新戦力”に近い投手が1年間ローテを守り続けられた事実は称賛に値します。ときには積極的に登板間隔を空けるなど、シーズンを通して疲労を考慮し続けた首脳陣の判断も功を奏したのでしょう。(日刊スポーツ評論家)




