CSファイナルステージの一番の注目点といえば、ポストシーズン初戦になる阪神打線の状態だろう。ファーストステージを勝ち上がってきたDeNAとは違って、どうしても“硬さ”が出るもの。懸念された通りの試合展開になった。
DeNAの先発は平良だった。今シーズンは阪神に5試合登板し、防御率は1・91。28回1/3イニングを投げて2勝1敗なのだから“阪神キラー”と呼んでもいい。
4番の佐藤輝が、まったく打てそうな気配がなかった。右投げ左打ちの打者の弱点でもあるのだが、佐藤輝はひざ元に落ちたり食い込んでくる変化球を苦手にしている。そして平良の武器はもう一つ、浮き上がるような高めの真っすぐとそこからちょっとだけ食い込んでくるカットボールがある。今シーズンも13打数無安打7三振。まさに佐藤輝の天敵と言っていい。
もったいないのは今シーズン、森下が4割1分7厘で、大山が3割8厘で打ち込んでいるところ。今試合でも平良に対して森下が2打数無安打1四球だったが、大山は二塁打を含む3打数2安打。阪神の強力クリーンアップも、真ん中を打つ佐藤輝がこれだけ打てないと得点が入らない。
平良という投手は特殊な変則右腕。サイドハンドとスリークオーターの中間ぐらいから腕を振ってくる。投球フォームのイメージだとゴロで打たせて取るタイプだが、今試合でも17個のアウトうち6個がフライアウトで6奪三振。本格派投手のようなアウトの取り方だった。
初戦を落とした阪神だが、1勝のアドバンテージがある。まだ焦る必要はないが、6戦目までもつれると再び中4日で平良が先発してくる。なんとなく打ちにいくのではなく、コースや球種に狙いを絞るとか、逆方向や投手の足元を狙って打つような工夫が必要だろう。
他に気になるのが、近本の状態。5打席あったが、すべての打席で初球のファーストストライクを見逃しでストライクになっている。甘い球も多かっただけに、いいときの近本と比べると本調子でないのは明らかだった。同じ不振でも積極的にバットを振っていけば打開策も開けるが、バットが出てきにくい不振は長引く可能性がある。
初戦は完封負けしたが、まだ1勝1敗のタイ。気持ちを切り替え、2戦目に備えるしかない。(日刊スポーツ評論家)




