ヤンキースの大型新人、アーロン・ジャッジ外野手の快進撃が止まらない。

 現在25歳のジャッジは2013年のドラフトで1巡目全体32位で指名を受けヤンキースに入団。昨年8月13日のレイズ戦でメジャーデビューを果たした。そのメジャー初打席でいきなり本塁打を放つという大物ぶりを発揮している。

 そして今シーズン、マーク・テシェイラ元一塁手などの引退もあって、ジャッジは右翼手として起用されることとなった。するといきなり強打者としての才能が全開となったのである。6月21日時点で24本塁打は両リーグ・トップであり、打率3割3分3厘、打点54はいずれもア・リーグ2位だ。さらにMLBの公式サイトは6月10日のオリオールズ戦で1回裏に放った本塁打がデータ計測システム「スタットキャスト」で打球速度が、過去最速の時速約195kmだったと発表している。それだけではない翌11日の同じオリオールズ戦では飛距離約151mという大型本塁打も放っている。これはスポーツ専門局ESPNが計測を開始した2009年以降、最も長い本塁打だった。

 こうしたジャッジのパワーあふれる打撃の要因はまずその体格が挙げられる。身長201cm、体重124kgという図抜けた巨漢なのだ。殿堂入りしたランディ・ジョンソンが身長208cmで過去には200cm超えの投手は存在した。しかし野手でこれほど大型の選手はおらず、スポーツ専門局ESPNのバスター・オルニー記者によればジャッジはメジャー史上最も大型の野手なのだとか。

 こうしためざましい活躍を続けるジャッジに対し周囲の評価はうなぎ登りで、三冠王はもちろんイチロー外野手以来となる史上3人目の新人王とMVPのダブル受賞の可能性も取りざたされる状況となっている。

 さらに7月11日のオールスターゲームのファン投票では現在ア・リーグの最多得票となっており、選出されることはほぼ確実だ。またAP通信が現地20日に報じたところによればオールスターゲーム前日に行われるホームランダービーに招待されたということだ。ジャッジはこの招待に対し「こんなことが本当に起きるなんて夢にも思わなかった。(出場するかは)じっくり考える。今はチームのために貢献することに集中している」と謙虚な姿勢を見せたと言うことである。

 デレク・ジーター元遊撃手のようなヤンキース生え抜きのスーパースター選手に育てるべき、という声もあるジャッジが今後どこまで伸びていくか楽しみだ。