「今の若者の考えがわからない」という言葉はいつの時代でも言われてきたことだ。しかしその若者たちを指揮するリーダーは彼らのことを理解しようという努力は必要である。少なくともカブスのジョー・マドン監督はそう考えているようだ。

チームの首脳陣、代理人らが一堂に会する一大イベント、ウィンターミーティングでマドンは居並ぶ報道陣に対し、「マネージング・ミレニアルズ・フォー・ダミーズ」という書籍を読んでいると明かしたとスポーツ専門局ESPNなどが報じている。選手たちとのコミュニケーション向上のためだという。

ミレニアルズとは1980年ごろから2000年代初めに生まれた世代を指す。ダミーズとは直訳するとばかな人という意味で、フォー・ダミーズは猿でもわかるなどと訳される。書籍としてのフォー・ダミーズはパソコンやビジネス、スポーツなどを初心者向けにわかりやすく解説した人気シリーズだ。同書のタイトルを訳すると「猿でもわかるミレニアル世代の管理法」といったところか。

マドンは「今まさにこの本を読んでいる最中だ。あなたはこのフォー・ダミーズを本当に初歩的なものだと思っているだろう。でもよく書かれていて、よく研究されている。私は伝統主義者、ベイビー・ブーマー、X世代、ミレニアルズについて学んでいる。これについて少しだけ理解し始めている」と語っている。

実はマドンが考え方を考える必要があるとカブスが指摘したのは今回が初めてではない。11月にセオ・エプスタイン社長は、チームは「ウルトラ・ミレニアルズ」に対処する方法を学ぶ必要があると語っていた。「選手たちにリーチする方法の多くが変わった。この5年でも、彼がシカゴにいたときでもね。我々は選手や試合のプレーの仕方、選手たちの情報処理の仕方、コミュニケーションのとり方などが本当に変化しているウルトラ・ミレニアルズを扱っている。調整していかないと失敗してしまう」というのだ。

今回のマドンの読書に関して聞かれたエプスタインは「それがクラシックなジョーだ。ジョーの大きな特徴だ。彼は好奇心が強く、達成したこと全てを変えようとしている。多くを学び、たぶん来年は何か試みるだろうと思う。いい兆候だ」とコメントしている。

来年契約最終年を迎えるマドンだが、エプスタインは早々に契約更新交渉に臨む模様だ。マドンはミレニアルズたちを見事に指揮し、今シーズンはできなかったワールドシリーズに到達することができるだろうか。