MLBが先週、67ページにわたる新型コロナウイルス対策案をまとめ7月4日頃の短縮されたシーズン開幕にむけMLB選手会と承認に向けた打診を行っているとの報道が複数出ている。依然活動停止が続く状況で、思いもかけず父親としての役割を続けることができているのがメッツのセス・ルーゴ投手だ。ニューヨーク・ポスト紙電子版が19日、ルーゴとのメールでのやりとりを伝えたもの。

2011年ドラフト34巡目指名でメッツに入団したルーゴは2016年にメジャーデビューを果たし、以降多彩な球種で救援投手として活躍してきた。昨シーズンは61試合に登板し、7勝4敗、6セーブ、21ホールドと救援陣の中核を担っている。今シーズンのスプリングトレーニングではホテルのオットマンで左手小指を骨折し、出遅れたもののフロリダ・グレープフルーツリーグに出場を果たすことができていた。

その直後に起こったのが3月12日に発表された新型コロナウイルス感染拡大によるスプリングトレーニングのキャンセルである。そしてそのわずか3日後にはルーゴはフロリダ州ポートセントルーシーのメッツキャンプ地を離れることとなった。アマンダ夫人が夫婦初めての子供の出産時期が近づいており、立ち会うためである。アマンダ夫人は19日に無事、ジェームズ君を出産している。

その後ルーゴはルイジアナ州ボージャーシティにある自宅で父親として育児に追われる日々を続けているという。「3、4日離れることになると思っていたけど、今では2カ月になった」とルーゴは同紙に語っている。「彼が成長するのを見ているのが信じられない。いつも赤ちゃんの笑いが大好きだったけど、自分の子供の笑いは特別です」と喜びを隠さない。

その一方で体調維持にも努めているという。「ほとんど毎日外で走っている」としたうえで、友人とキャッチボールし、幸いルイジアナ州立大学の選手が近くに住んでいたことでブルペン練習も行うことが出来ているとした。またコーチングスタッフと週3回連絡を取り合っているとのことだ。メッツのコーチングスタッフは自宅に戻っていることからこうしたチェック体制をしいているようである。

シーズンが開幕したとしても無観客試合になる可能性が高い。それが影響するかという問いに対し、ルーゴは自身がルイジアナ州のマイナーな高校、大学出身であるため「自分は観客の少ないマイナー校で6年間過ごしたんだ。(センテナリー)大学では25人のファンの前で投げた。だから自分はアジャストできると思う。でも、自分たちのファンがいないのは寂しいよ。彼らは偉大だ」と語っている。

父となったルーゴが多くのファンの前で登板する日が早く来ることを祈りたい。