2021年MLBレギュラーシーズンも残り3週間強となった。シーズン後半に入ってのヤンキースの躍進が話題となったが、それ以上に好調なのが昨年のア・リーグ・チャンピオン、レイズだ。東地区で独走しているだけでなく、プレーオフでのホームフィールドアドバンテージも狙おうとしている。

現地7日に行われたレッドソックス戦を12対7と勝利し、88勝51敗。7日終了時点で同地区2位のヤンキースに9.5ゲーム差、ア・リーグではアストロズに7ゲーム差をつけリーグトップにいる。MLB全体でも88勝は、ジャイアンツの90勝に次ぎ、ドジャースと2位タイだ。

レイズはオールスターゲーム以降、34勝14敗。過去20戦中16試合で勝利している。さらに今シーズンMLB最多の逆転勝利43回を記録し、勝負強いのも特徴だ。得失点差180もア・リーグで最多である。

そのレイズの好調の中で目立つのが選手年俸の低さである。今シーズン、MLBで最も年俸総額が多いのはドジャースで1億5636万ドル、ア・リーグではヤンキースがMLB2位の1億5104万ドルでトップ、2位がレッドソックスで1億1158万ドルとなっている。対してレイズは1543万ドルでMLB26位なのだ。ヤンキースの10分の1ほどでこれだけの成績を挙げているのである。

特に好調な選手として打撃では33本塁打のブランドン・ロウ二塁手、29本塁打のマイク・ズニーノ捕手、97打点のオースチン・メドウズ外野手、3年目でレギュラーの座をつかんだランディ・アロサレーナ外野手、打率2割8分3厘のワンダー・フランコ遊撃手が挙げられる。この中で年俸が200万ドルを超えているのはロウの250万ドルとズニーノの200万ドルの2人だけだ。まだ20歳のフランコは31万5901ドルに過ぎない。

投手陣ではジョシュ・フレミングが10勝を挙げ、シェーン・マクラナハンも9勝を挙げているが、フレミングの年俸は57万500ドルで、マクラナハンは48万8550万ドルである。ここに挙げた7人全員の合計でも約700万ドルに過ぎないのである。さらに全員が30歳以下の若手だ。

この高効率のレイズが昨年に続きア・リーグを制することができるか注目である。