強肩、それとも恐肩? ヤンキースのアーロン・ヒックス外野手(26)が21日、剛腕クローザー顔負けの鉄砲肩を披露していたことが分かった。左翼手として20日アスレチックス戦の4回1死満塁で飛球を処理し、タッチアップで本塁を狙った三塁走者を刺した。そのときの返球スピードが、昨季から導入された大リーグの最新計測器で過去最高の105・5マイル(約170キロ)を記録していたことが判明した。

 旧計測器による投手の最速記録とされるのは、10年に左腕チャプマン(当時レッズ、現ヤンキース)が計測した105・1マイル(約169キロ)。ヒックスは3歩ほどステップして送球しており、単純な比較はできないが、それでも驚異的なスピードであることには間違いない。

 08年ドラフト1巡目でツインズに入団し、ヤ軍には昨オフ移籍。試合前まで打率0割5分と打撃に課題は残すものの、この日もア軍戦にスタメン出場、フェンスを登っての捕球や補殺など好守を連発した。試合前には大勢のメディアに囲まれ、前日の補殺について「ああいうプレーは自信になる。友人知人からメールが50通来たよ」と笑顔だった。(ニューヨーク=水次祥子)

 ◆アーロン・ヒックス 1989年10月2日、米カリフォルニア州出身。ウィルソン・クラシカル高から08年ドラフト1巡目(全体14位)でツインズと契約。13年開幕戦(対タイガース)に「1番中堅」でメジャーデビュー。メジャー260試合で打率2割2分1厘(840打数186安打)、20本塁打、80打点。647の守備機会で24補殺。188センチ、95キロ。右投げ両打ち。年俸57万4000ドル(約6310万円)。