このオフの米国のFA移籍市場は、いくつかの理由が複合的に重なり合って動きが遅い。

 (1)選手の質が低い ESPN電子版によると、過去2季終了後のトップFA選手15人のWAR(そのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを示す指数)の合算と、17年オフFA選手の数字を比べると、15年=113・5、16年=81・7、17年=67・1。各球団は契約に二の足を踏んでいる。

 (2)代理人スコット・ボラス氏がトップFA選手の多くを抱えている 同氏は時間をかけて高額契約を引き出す手法で有名で、交渉が長期化することが多い。

 (3)18年オフのFA選手に大物が多い ハーパー(ナショナルズ)やマチャド(オリオールズ)ドナルドソン(ブルージェイズ)らがFAとなるため、来季の移籍市場に大金を投入できるように出費をセーブしている球団が多い。

 これらの理由でなかなか市場が動かないが、いったんトップ選手の行き先が決まってくれば、イチローの交渉にも動きが出てくるとみられる。