メジャーの公式球が飛ぶボールに変わったとの疑惑が消えない中、米国で新たな研究結果が発表され、ボールの芯の密度が変わっていることが分かった。

 1日付の米ニュースメディア「ファイブサーティエイト」によると、南カリフォルニア大とケント州立大学がボールをエックス線で検査し分析した結果、ボールは15年球宴前と後で違っており、現在のボールの芯は以前のものより密度が約40%薄く、重量も約0・5グラム軽くなっているという。また米ヤフースポーツは、ボールの芯を包んでいる物質が以前のものより浸透性が高く、それが密度の薄さにつながっていることが考えられると指摘している。

 メジャーでは14年から17年の間に本塁打が46%増加し、昨季は史上最多の6105本塁打を記録。現在の公式球は15年球宴以前より、約2・6メートル遠くへ飛ぶとの試算も出ており、ボールが2・6メートル遠くに飛ぶと本塁打数は25%増加する計算になるという。昨季は打者の間で角度をつけて打球を飛ばす打ち方が流行したため、その増加率を上回る本塁打急増につながったのではないかと推測されている。

 ボールの変化については、昨年も縫い目の高さが以前より低くなり、表面が固くなったなどの変化が指摘されていた。だがロブ・マンフレッド・コミッショナーはこれまで、変化について完全否定を続けており、大リーグ機構は今回の研究結果については、コメントしなかったという。