ポスティングシステムを利用し、西武からマリナーズへ移籍した菊池雄星投手(27)の入団会見が、マ軍の本拠地T-モバイルパークで3日(日本時間4日)に行われた。

3年契約が保証されている上で、本人側と球団側の双方が契約延長、終了の選択肢を持ち合うユニークな契約で、最大で7年、総額約126億円の大型契約となった。

背番号は「18」に決まった。会見場に「18」のユニホームが飾られ、会見の冒頭で袖を通した。

会見には菊池と通訳のほか、ディポトGM、サービス監督、代理人のスコット・ボラス氏が出席。

菊池は流ちょうな英語で「菊池雄星です。今日は特別な日になりました。15歳からの夢がかなった。西武ライオンズ、マリナーズに感謝します。新たな旅が始まる」とあいさつした。

大半の応答を英語でこなした。英語の質問を通訳が日本語に訳し、菊池は英語で答えた。「夢をかなえようと思い、英語も勉強してきた。自分の強みは真っすぐとスライダー。昔からメジャーの試合を見てきたので、メジャーの選手の球種、フォームだったりをまねしながらプレーしてきた。(大谷は)偉大な選手。自分は投げるだけですが、近づけるように」と話した。

シアトルの街については「ウィキペディアで調べました。着いてみると、美しい街でした」と答えた。

質疑は花巻東の恩師、佐々木監督への思いへ移った。「高校1年のときに目標設定をして『一緒にメジャーを目指そう』と話した。15歳のときから12年、励ましてもらった。家族は…小学校のときに『プロ野球選手になりたい』という話をして、不自由なくやらせてもらった。背番号18は日本人にとって特別な番号。いつか背負いたいと思っていた」と語った。

イチローとチームメートとなることについては「簡単には説明できない、特別な思いがある。僕が初めてプロ野球を見に行ったとき、イチローさんが最後に日本でプレーしたシーズンで、岩手県営野球場で見たこと…鮮明に覚えています。野球を始めたばかりで、イチローさんしか知らないくらいでしたが、その時のオーラ、雰囲気が、昔の記憶ですが、ずっと残っています。たくさんお聞きしたいことがあるし、一緒にプレーすることが楽しみで仕方がないです」と言葉に熱がこもった。

新天地で大事にしたいことについて問われると「日本で積み上げてきたものをしっかりと出せるように、まずはそこが一番。その中で、いろんな事に気付くと思う。そこに早くアジャストすることが大切になると思う」。

東京で迎える開幕戦にイチローと一緒に出たいか、の質問には「イチローさんが雲の上の存在すぎて…その上で…もし一緒にプレーすることができれば、一生の財産になる」と笑った。夢については「9年間、日本でプレーしたが、順調にいったわけではなかった。日本のファンへの感謝の気持ちが非常に強い。まだまだ未熟なので、技術的にも、精神的にも大きくなる姿を日本のファンの方に見せられることが夢。ここに来ることでなく、結果を出すことが目標」と語った。

なぜ英語で質疑をしたかについては「聞きづらくてすいません。最高峰の舞台でプレーするにあたって、文化や環境、考え方の違いはあるが、いつか最高峰の選手たちと英語で話せるようになれればと思って、少しずつ勉強してきました」と明かした。