1世紀ぶりの歴史的偉業とともに、史上5人目の「勝率9割超え」にも挑む。エンゼルス大谷翔平投手(27)が10日(日本時間11日午前9時10分)、敵地でのアストロズ戦に先発する。勝利投手になれば、9連勝で今季10勝目の大台に到達。メジャートップ43発の本塁打とともに、1918年ベーブ・ルース(レッドソックス)以来103年ぶりに、「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」を達成する。

投手としてここまで20試合に登板し9勝1敗、防御率2・97。規定投球回には28回足りないものの、ア・リーグ防御率ランクは3位に相当するなど、特に7月以降の安定感が光る。

また、特筆すべきは勝率の高さ。シーズン10勝以上を記録した投手で、過去に勝率9割超でシーズンを終えたのはグレッグ・マダックス(ブレーブス)、ランディ・ジョンソン(マリナーズ)の両殿堂選手を含め、わずか4人しかいない。大谷はまだ3~4試合の先発予定を残しているとはいえ、投手でも超エリートクラスの成績で今季を締める可能性がある。

しかし立ちはだかるのは、過去4試合で0勝1敗と勝ちがなく、対戦防御率も4・96と苦手にする難敵。同じ西地区首位のア軍はチーム打率が2割6分7厘でリーグ首位、OPSや得点でも同2位と屈指の攻撃力を誇る。大谷はア軍相手に5月11日、同じ敵地で登板し、勝敗は付かなかったが7回を4安打1失点、10奪三振と好投した。ア軍から勝利を挙げれば、同地区全球団勝利も達成する。

9勝目を挙げた3日レンジャーズ戦後には、2ケタ勝利の位置づけを問われ、「大きな違いかなとは思いますけど、防御率やWHIPだったり、個人的に投手のスキルを測るところの方が、大事な部分かなとは思うので」と投球内容も重視した。二刀流完走のゴールに向かって、ラストスパートも全力疾走する。