新労使協定を巡るMLBのオーナー陣と選手会の交渉が1日(日本時間2日)、フロリダ州ジュピターで行われたものの、合意には至らず、31日の公式戦開幕が延期され、試合数は162試合から削減されることとなった。ロブ・マンフレッド・コミッショナーが記者会見を行い、開幕予定だった31日から最初の「2シリーズ」を中止することを発表した。代替試合は行われず、その間の選手への給与は支払われない。

オーナー側は、通常開幕する上で設定したデッドラインを前日の2月28日からこの日の米東部時間午後5時(同2日午前7時)まで延長。9日連続の対面交渉となったこの日午後、「ベストで最終」(機構関係者)のオファーとして、調停前の選手へのボーナスプールを3000万ドル(500万ドル増)、最低保証年俸を70万ドル(2万5000ドル増)から順次1万ドル増とする一方、ぜいたく税の対象額は前回提示額から変更しない案を提示したが、選手会の希望額との差は大きく、話し合いは決裂した。ESPNのジェフ・パッサン記者によると、選手会の主要メンバーは、全会一致で最終提示を拒否することで合意した。

旧協定が失効した昨年12月2日以来、オーナー側はロックアウト(業務停止)を宣告。1月中旬に直接交渉を再開したものの、双方の主張の隔たりは埋まらず、2月中旬に開始予定だった春季キャンプとオープン戦は少なくとも3月8日まで延期されている。

オーナー陣と選手会の交渉は、早ければ今週中にもニューヨーク市内で再開する見込み。機構側のマンフレッド・コミッショナー、選手会のクラーク常任理事が、ともに今後も継続する意思を示したもので、米メディアによると、最短で3日(日本時間4日)から再開する可能性がある。

◇マンフレッド・コミッショナー 「両サイドともに労使協定を締結させる努力をしたが、かなわなかった。日程的に、MLBは開幕からの2シリーズを開催することができなくなった。これらの公式戦を中止することを正式に発表する。我々は直近の提案で、すべてを網羅した。試合中止を避けるデッドライン前の最後に、最高のオファーを選手会に提示した。交渉は今、行き詰まりの状態となった。我々が一番懸念していることは、ファンの気持ちだ。我々は意見をまとめ直し、今後の方針を決めたい」

◆その他のMLB機構側の主な提案 国際ドラフトの開催。ドラフトで全体5位まで抽選(前回提案では4位まで)。各リーグ新人王投票で1、2位になった選手にはサービスタイム(登録日数)1年付与。プロスペクト(若手有望株)を開幕ロースターに入れた場合のドラフト優遇策。