【スコッツデール(米アリゾナ州)25日(日本時間26日)=四竈衛】筒香の逆襲開始-。ジャイアンツのキャンプに招待選手として参加している筒香嘉智内野手(32)が、オープン戦初戦に途中出場し、2打数1安打2打点と好結果を残した。6回から途中出場し、9回の第2打席に痛烈な2点適時打を放った。2年ぶりのメジャー復帰へ、まずは好スタートを切った。

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0-8と大量リードされた9回2死二、三塁。オープン戦とはいえ、首を長くして「球春」を待っていた本拠地ファンが、初戦の最後の最後に歓声を上げた。背番号「34」の筒香が、フルカウントから92マイル(約148キロ)の速球を捉え、一、二塁間を破ると、この日最大の拍手が沸いた。試合後の筒香は「初めての試合なので、1打席目はどっしりしてないという感覚があったんですけど、2打席目に修正できましたし、日に日に状態は上がって来ていると思います」と穏やかな表情で振り返った。

NPBで205本塁打を放った大砲も、過去2年間は本来の実力を発揮できず、苦悩の日々が続いた。パイレーツ時代の22年、開幕直後に腰痛に見舞われ、本来の形を見失った。腰をかばってスイングすれば、自ずと力は伝わらない。「体を使えなくなって、どうしても手だけで操作している感覚がここ2年間ぐらいあった」。だが、今は違う。腰の痛みが完全に消えた一方で、白米を玄米に変えるなど栄養面を含めた細かい食事改善にも着手。技術的にも「もう1度、体の軸を中心に」する本来のフォームを、徐々に取り戻した。

もっとも、今の筒香に、好プレーや初安打で一喜一憂する思考はない。「初戦に安打が打てたというのは、ホッとする部分もありますけど、まだまだ今日だけではない」と、気の緩みは一切ない。招待選手からメジャー枠をつかみ取ることは、周囲が考えているほど容易ではない。ただ、「今までとはまったく違う状態でのキャンプインでした」と語る筒香の表情は、例年以上に明るい。

球団が事前に用意した背番号「34」は、レッドソックスで活躍し、殿堂入りした大砲オルティスと同じ番号。立場が保証されないマイナー契約とはいえ、同じ左のスラッガーとしての期待値は高い。侍ジャパンでも4番を務めた筒香の逆襲が、本格的に始まった。