<ナ地区シリーズ:ブルワーズ3-2ダイヤモンドバックス>◇第5戦◇7日(日本時間8日)◇ミラーパーク

 ブルワーズがサヨナラ勝ちでダイヤモンドバックスを下し、29年ぶりにリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。リーグ再編でナ・リーグ中地区に加わって以降初進出。斎藤隆投手(41)は1点リードの7回に登板し、3者凡退に抑える完璧な投球で勝利に貢献した。

 サヨナラ勝ちの瞬間、4万4028人のファンが悲鳴にも似た歓声を上げ、文字通り球場が揺れた。ヒーローのモーガンを囲む歓喜の輪の中に、斎藤の姿はなかった。7回に登板し、3者凡退と役割を果たした後「いる位置を変えるのはやめよう」と験担ぎも兼ねて、アイシングを受けたトレーナー室にとどまった。勝利が決まった瞬間、泣き崩れるスタッフの姿を見て、チームにとってこの1勝が持つ意味の大きさが胸を貫いた。

 リーグ優勝決定シリーズ進出は、斎藤にとってリベンジの意味を持つ。ドジャース時代の08年。チームは地区シリーズを突破したが、右肘を故障していた斎藤は、リーグ優勝シリーズ直前に登録を外された。チーム勝利が最優先だが、あの時の悔しさは決して忘れられない。

 だが、今年は納得の投球ができる状態で、地区シリーズでも3試合(3回)に登板して無失点。7回斎藤、8回K・ロッド、9回アクスフォードと、勝利の方程式の一ページでもある。もう一段階上の舞台で、最高の投球をする準備は十分だ。

 2勝した後に2連敗。この日も9回に追いつかれてのサヨナラ勝利。生みの苦しみを味わい「今日のシャンパンは格別に甘い感じがします」と、美酒でぬれた顔に満面の笑みを浮かべた。次の相手は、同地区ライバルのカージナルス。「今は美酒に酔って、また次、頑張ります」と声を弾ませた。