<マリナーズ3-1レンジャーズ>◇12日(日本時間13日)◇セーフコフィールド

 マリナーズ岩隈久志投手(32)がレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(26)に投げ勝った。

 32歳の誕生日を自ら祝った。レ軍強力打線にシンカーとスプリット(速いフォーク)で攻めた。テンポいい投球でアウトの山を築く。開幕から18イニング無四球だったが、5回2死一塁からモアランドに今季初四球も、右手の血豆をつぶして7回2死走者なしで降板するまで制球力が乱れることはなかった。3打数2三振に抑えた主砲バークマンも「低めのコーナーを使った抜群の投球だった。スプリットが高めに浮いたのは3球くらいだった」と舌を巻くほどだった。今季3試合で2勝負けなしと、安定感も抜群だ。

 昨季は救援からスタートし、先発を実力で勝ち取った。今ではウェッジ監督から「安定感のある投手」と全幅の信頼を置かれている。岩隈自身も「自分のスタイルが、ボールとマウンドとともに合ってきた。今は自信を持って投げられています」と、メジャーに順応した実感を持つ。

 チームメートやファンからの信頼も勝ち得た。誕生日を迎え、試合前にチームメートから「ハッピーバースデーと言われました。ありがたかった。今日勝ちたいなって気持ちが強くなりました」。試合中はアウトを奪うたびに、客席で「ハッピーバースデー!

 KUMA」と書かれたサインボードが揺れた。

 昨年9月14日はダルビッシュに投げ負けているだけに「日本の時から彼と投げ合うのはすごく楽しいと思っていました。本当にいいゲームが出来たんじゃないかと思います」とうなずいた。3連敗中だったチームの悪い流れも断ち切った。【佐藤直子通信員】