<レンジャーズ2-6マリナーズ>◇20日(日本時間21日)◇グローブライフパーク

 「打たせてとる」代名詞は健在だ。マリナーズ岩隈久志投手(33)が無傷の今季3勝目を挙げた。レンジャーズを8回6安打2失点に抑え、同地区との10連戦初戦を白星スタート。「本当に大きな1勝。これでチームもどんどん乗っていけたらいいと思います」と笑みを浮かべた。

 いつもと変わらぬ安定感がマウンドを支配した。レ軍とは通算9度目の対戦だが、低めを突く持ち味を発揮した。2回に先頭A・ベルトレに先制ソロを許し、4回にも1失点。「後続をしっかり打ち取ろう」と、5回以降は追加点を与えなかった。3試合連続で8回を投げる安定感をいかんなく見せつけた。

 「岩隈=スプリット」の印象が強いが、時速72マイル(約115キロ)前後のスローカーブを有効に使った。「どの球種でもストライクをとれた」(ズィニーノ捕手)と、的を絞らせなかった。テンポよくアウトを重ねる姿に、マクレンドン監督は「いやぁスゴイ」と笑いが止まらなかった。

 右手中指負傷で開幕から約1カ月遅れたため、「チームに迷惑をかけてしまった」という思いが強い。「1試合1試合を大事に集中して投げています。本当に(遅れを)取り戻したい気持ちで、強い気持ちで投げている」。気持ちは熱いが、投球は冷静だった。【佐藤直子通信員】