<2014SUZUKI日米野球:日本代表8-4MLB>◇第2戦◇14日◇東京ドーム

 MLBオールスターの岩隈久志投手(33=マリナーズ)の悔しい凱旋(がいせん)登板だった。2回表2死から連打を浴びる。松田、銀次、伊藤の3連打で先制点を献上。さらに柳田にはスプリットをフルスイングされ、中堅右への2点三塁打。制球が甘くなり、3点を失う。シーズン中のような直球のキレもない。4回にも4安打を浴び2失点と立ち直れないまま。計59球で10安打5失点と、散々な結果となった。

 急きょ出場が決まっただけに、ほとんど投球練習が出来ていない状態だった。試合後は穏やかな表情で「打たれはしましたがすごく楽しかった。もちろん緊張したし、全然投げてなかったので不安とかね。その中でも楽しく投げられました」と振り返った。今季沢村賞の金子との投げ合いだったが、自身も同賞を08年に受賞。落差のあるスプリットで中田らから計4三振を奪い、先輩の意地はのぞかせた。

 かつては日の丸を背負って戦った。04年アテネ五輪、09年WBCと先発の柱としてチームに貢献。今回の侍ジャパンとの対決には「やっぱりいい選手がたくさんいますし、すごくいいチームと感じました」と振り返った。17年の第4回WBCでの世界一奪還を目指す後輩たちに、自らの投球で成長を促す役割も感じていた。

 今大会は、もう登板予定はない。だがマリナーズの先発2番手として、既に来季を見据えている。「またメジャーとして精いっぱい頑張ってプレーしたい」。世界最高峰のマウンドに君臨し続け、日本人投手のレベルを高めていく。

 ▼岩隈が10安打、5失点で敗戦投手。日米野球で2桁被安打は、日本代表に選ばれた近鉄時代の岩隈が02年第6戦で12安打されて以来。MLBの投手としては、90年第4戦スティーブ(ブルージェイズ=10本)以来、24年ぶり。