3年目の3大目標！　阪神近本光司外野手（26）が15日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、3000万円増の年俸7500万円で更改した。開幕時のスランプをはねのけ、リードオフマンとして全試合に出場。新人から2年連続の盗塁王に輝いた。来季は「3年連続盗塁王」「100得点」「最多安打」の個人目標を掲げ、新選手会長としてもチームをリーグ優勝に導いていく。（金額は推定）

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スピードスター近本は契約更改も一発サインで済ませた。コロナ禍で調整が難しい中、初めて全試合に出場して打率2割9分3厘、9本塁打、45打点。2年連続の盗塁王に輝き「過密スケジュールでイレギュラーな形で始まって、全試合出られたのは良かった」と振り返った。

3年目の来季に向けては3大目標を掲げた。まずは「3年連続の盗塁王」。今季は31盗塁と5つ減らしたが、成功率は7割6厘から7割9分5厘に上昇。「来年はもう少し大事な場面で走ることや、より得点につながるような走塁、盗塁を増やしたい」。テーマは量より質。価値ある盗塁を重ねてタイトルを防衛する。

2つ目には「100得点」を挙げた。2年続けて81得点だが、出塁率よりも結果に直結するだけに重要視して初の3桁を狙う。3つ目は「最多安打を目指してやりたい」。今季は139本でリーグ最多の中日大島と7本差の3位。開幕した6月の月間打率は1割2分8厘と「2年目のジンクス」にぶち当たった格好だが、7月以降は本来の姿を取り戻し、最終的に3割近くまで引き上げた。

「僕の中では100得点を目標にしている。そのためにはより多くヒットも打たないといけないし、塁にも出ないといけないし、先の塁にも進まないといけない。野球は得点が全てのスポーツだと思うので、チームが優勝するためにより多く自分の仕事ができるように」

阪神で最多安打と100得点は過去に49、50年藤村富美男、85年バース、10年マートンの3人しかおらず、高いハードルとなる。

来季は新選手会長も務める。「27歳の年。自分だけのプレーを考えるだけの歳でもないと思う。言動を見られている意識を持って、やっていかないと」。不動のリードオフマンが、記録的な活躍でチームを引っ張っていく。【奥田隼人】

▼阪神選手のリーグ最多安打者は、1リーグ時代を含め過去11人（15度）いる。直近は13年のマートンで、日本人選手では93年の和田豊以来出ていない。このうち、100得点以上を記録したのは49、50年の藤村富美男、85年バース、10年マートンの3人（4度）しかいない。来季、近本が最多安打＆100得点をクリアすれば、日本人選手では藤村以来71年ぶりの快挙だ。