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長嶋終身名誉監督が2年目坂本をべた褒め
- 長嶋終身名誉監督(右)は興味深げに坂本の体を触る。左は原監督(撮影・鹿野芳博)
巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(72)が24日、宮崎のキャンプ地を訪れ、坂本勇人内野手(19)をべた褒めした。売り出し中の2年目の打撃に心を揺さぶられたミスターは、ソフトバンクとのオープン戦も視察。坂本も目の前で2安打を放ち、成長をみせた。巨人にニューヒーローの誕生を予感させる1日となった。
サンマリン宮崎に到着した長嶋終身名誉監督は、真っ先に打撃練習をする坂本の後ろに向かった。つえもつかず、確かな足取りで、ケージの裏に立った。それだけ気になる存在だった。原監督から「坂本の体が大きくなったんです。2006年のドラフト1位なんで61番にしたんですよ」と説明してもらうと、肩をさすり、さらにユニホームの胸の番号のあたりに手を触れ「頑張りなさいよ」と激励した。
二岡が左ひざ手術からのリハビリ中という状況で、若手の台頭は頼もしい限りだ。ソフトバンクとの試合を見ながら「坂本君へのメッセージ? 君の将来を期待している。19歳? 最高のバッティングだ。体のバネをつければいうことないね」などと話をしているうちに、坂本が見せた。5回の第2打席には左前に、7回の第3打席には中前に、痛烈な2安打を放った。「高い球は高いなりに、低めは低いなりに打っていける」とミスターもうなった。
この日はソフトバンクの王監督と4年ぶりに球場で顔を合わせた。アテネ五輪前の04年のキャンプでジャパンの監督として会って以来だった。お互いの健康を喜ぶとともに、野球人としての血が騒いだ。上原、二岡、小笠原らと言葉を交わしては、精力的に激励してまわった。「選手に声をかけていただいて、より一層、団結力がついてくる」と原監督も喜んだ。
そして何より、一番期待され、それにこたえてみせた坂本は「アピールがしっかりできた。思い切っていけたのがいい結果に結びついている。長嶋さんに声をかけていただいて、非常に光栄でした。観衆も多くて気持ちが引き締まった。いい緊張感がありました」と充実感を漂わせた。ミスターの前で打った勝負強さと、クルーンと並びチーム一おしりの小さなモデル体形と、さわやかな笑顔。新たなスターの誕生を予感させるには十分だ。【竹内智信】
[2008年2月25日9時21分 紙面から]
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