オンラインで剣道を-。東京都杉並区下高井戸の尚道館道場では、斬新な試みを行う。SNSを利用した剣道の「稽古」だ。岡田守正館長(教士八段)が説明する。「昨年2月より個人の取り組みとしてオンラインサロンを立ち上げる予定のところに、コロナ禍が襲った。何かできないかと、そのシステムを参考にしてオンライ稽古を発想しました。自粛で稽古ができなかった時は、Zoomでつないで子供は週2日、大人は週1日、剣道の講義と稽古を始めたのです」。フランスに支部道場がある関係で海外との交流も多く、最盛期は世界各地で50人以上とつながったという。今も土曜午後7時半からは一般部の稽古をライブ配信している。

同館は1935年(昭10)の開設。初代館長の岡田守弘氏(警視庁、東大剣道部師範)が当時寄席だった建物を買い取って道場に改築したのが始まり。現館長の守正氏は3歳から祖父に習って剣道、居合道などを仕込まれたという。

道場の会員数は130人。中学生以下の稽古は火木土の午後5時~7時半で、基本動作から応用技術までを学ぶ(一般の部は月木土午後7時15分~9時半)。稽古前には書道の時間を設け、希望者に習字も教える。また、集中力向上と体のバランス強化のため、けん玉講習も取り入れているという。(剣道という)古いものを残すため、新しい方法も取り入れる。それが尚道館道場だ。

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