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紙面企画

私のレジェンド

私のレジェンド

過去19回行われた世界最大の祭典。全世界のファンが魅了され、スーパースターに酔った。誰にでもいるW杯のヒーロー、それぞれの一押し選手を「私のレジェンド」として連載する。

マイケル・ジャクソン級のリベリーノ


<キングカズ 三浦知良>

 リベリーノは僕の子供の頃からのアイドル。玄人好みの選手というか。あのマラドーナだって彼にあこがれてたと言うからね。

 74年W杯西ドイツ大会の東ドイツ戦では、針の穴を通すようなFKがすごかった。壁に入った味方(ジャイルジーニョ)がしゃがんだところを狙ってね。その映像を何度も見た。まだビデオが普及してなくてベータという素材で見たね。70年メキシコ大会は父親が見に行って、8ミリで撮ってきてくれた映像を見た。

 リベリーノと言えば、何と言っても「エラシコ」。足のアウトサイドでボールを外側に出し、瞬時にインサイドで内側に切り返す。セルジオ越後さんが発明して、リベリーノが完成させたと言われる伝説のフェイント技だね。

 僕が中学生の頃、静岡の草薙公園でのイベントに、セルジオさんがリベリーノを連れてきた。歌の世界で言うなら、マイケル・ジャクソンが来た感じ。あのW杯で優勝した、テレビでしか見たことがない人が来るのかと。その日は雨で下がぐちゃぐちゃな中、彼はエラシコをやった。生で見た時はビックリしたね。イン、アウト、インと3段階のまたぎで、日本人は膝が割れちゃうみたいに抜かれた。僕も含めて、日本人がまねしても違う。足首の柔らかさが違う。マイケル・ジャクソンのムーンウオークをまねできないようにね。

 僕がブラジル・サンパウロの会場でプレーした時、彼が解説者でよくほめてくれた。うれしかったね。永遠のアイドルだよ。

 ◆ロベルト・リベリーノ 1946年1月1日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。左ウイング、MFとして60~70年代のブラジルを代表するスーパースター。「左足の魔術師」と呼ばれ、W杯は70年メキシコ大会から3大会連続で出場し通算6得点。74年西ドイツ大会ではペレの背番号10を受け継いで3得点。代表通算121試合(非公式含む)。82年に現役引退し、94年にはJリーグの清水で監督を務めた。

















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