＜元浦和のレジェンド　山田暢久＞

　Ｗ杯といえばやっぱりマラドーナ。本当にかっこよくて。でもそれと同じくらいかっこ良かったのは、オランダトリオ。オランダ代表のファンバステン、ライカールト、そしてフリット。ミランでの姿もかっこ良かった。

　僕は現役時代、サッカーのＶＴＲなどは家ではまったく見ません。見るとしても自分が出ていた試合の、自分のゴールシーンをちょこっと見るくらい。１試合９０分を通して見ると飽きちゃうから、ほとんど見ないんです。でもマラドーナの試合とオランダトリオの試合は、ハイライトだけじゃなく試合を通して何度も見た。フリットのドレッドヘアは、汚なそうに見えて衝撃的だった。プレーをまねしようと思って練習したけど、髪形をまねようとは思わなかった。

　オランダトリオがいたミランが９０年のトヨタカップで来日した時は、中学３年で現地には見に行けなかった分テレビでしっかりと見てた。３－０で圧勝だった。その試合では、３人がボールを落とさずにヘディングと、アウトサイドでパスをつないだプレーがあったと思う。ＤＦバレージやアンチェロッティがいたんだけど、オランダトリオは動きの１つ１つに華があって別格だった。

　僕は昨季いっぱいで引退して今は、浦和の強化部に籍を置いている。高校や大学、時には浦和レッズジュニアを指導したりと案外忙しい。７月５日の引退試合に向けての準備もある。トップレベルの試合は案外見られないんだけど。見られなくてもいいかな、またサッカーやりたくなるから。

＜オランダトリオ略歴＞

　◆ルート・フリット　１９６２年９月１日生まれ。オランダ代表６６試合１７得点。ＦＷ、ＭＦ、ＤＦのオールラウンダー。８７年バロンドール受賞。

　◆マルコ・ファンバステン　１９６４年１０月３１日生まれ。オランダ代表５８試合２４得点。ＦＷ。８８、８９、９２年バロンドール受賞。元オランダ代表監督。

　◆フランク・ライカールト　１９６２年９月３０日生まれ。オランダ代表７３試合１０得点。ＭＦ、ＤＦ。０３～０８年バルセロナ監督。