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紙面企画

Ola! WorldCup

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毎週水曜日の紙面ブラジルW杯ワイド特集「Ola! World Cup」に掲載された特集記事を余すとこなくお届けします。

注目は日本だけじゃないぞ


 あと2週間、世界中の目がブラジルに集まる。日本でも、4年に1度の祭典を楽しみにしているサポーターやファンは多い。俳優で超サッカーフリークの大杉漣さん(62)も、6月12日の開幕を待っている。日本代表を応援するのはもちろん、優勝チームを予想し、新しいスーパースターの誕生に期待する大杉さんが、サッカーへの愛情たっぷりにW杯を語った。評論家から漫画家、タレントまで各界の声を聞いて、大会を丸ごと楽しもう。

<オシムさんへの感謝込めボスニア応援/超サッカーフリーク 俳優:大杉漣>

 (1)注目国

 楽しみですね。サッカーはどんな試合も見るのが好きなんですけど、W杯は世界最高の大会ですから。日本代表を応援するのはもちろんですけど、世界のサッカーを見られるのがいいですね。試合だけでなく、チームや選手のバックボーンまで楽しみたい。すべて楽しめるのがいいんです。

 優勝するのは、ブラジルですかね。ロナウジーニョが落ちるんですよ。ミランで頑張っているカカも。選手層の厚さは、すごいですね。落ちた選手だけで、もう1チームぐらいは簡単にできるんじゃないかな。そのチームでも優勝できるような。以前に(50年大会)ブラジルで開催した時は優勝できなかったけれど、今回はサッカーの神様が降りてくるような気がします。

 ドイツもいいですね。エジルが好き。いい選手ですよ。個人的にはポルトガルのC・ロナルドがどこまでできるか。あとはアルゼンチン。メッシの調子が戻るのか、楽しみです。コロンビアもファルカオの出場は微妙だけれど、ほかにもロドリゲスとかいい選手がいますから。意外と、いいんじゃないですかね。南米、恐るべしですよ。

 注目しているチームがあるんです。快進撃の可能性があるチームと言えばスイスとか、もちろん日本とかも考えますが、自分のサッカーへの思いを込めてボスニアを応援したい。初出場だし、現実味があるかどうかは分からないですけれど。化けるかもしれない、いや化けてほしいと思いますね。

 テレビのドキュメント番組を拝見して、大変な困難に打ち勝って出場を決めたことを知ったんです。オシムさんが苦労をして、出場にこぎつけた。もちろんスポーツはスポーツで、政治とは別です。でも、恵まれない中で勝ち上がって、メンタルは強い。一致団結するんじゃないですか。背負っているものが違いますから。オシムイズムが流れているチームですから、オシムさんへの感謝も込めて応援したいんですよ。

 前回は南アフリカまで見に行ったのですが、今回は映画のロケがあって行かれないんです。ブラジルは遠いですし。仕事に支障がない程度に、テレビで見たいですね。生で見たい気持ちはありますけど、何度もスローを流してくれるなどテレビも見やすいですよ。

 (2)日本代表へ

 W杯を初めて意識して見たのは78年アルゼンチン大会からです。その頃は同じサッカーでもW杯は日本にとって違うカテゴリーだった。今は出て当たり前になったけれど、1回1回監督は違うし、チームは違う。だから、毎回楽しみに日本代表を見られるんです。

 代表では、徳島にいた柿谷ですね。やんちゃな子だったけれど、いいものをたくさん持っている。C大阪が初めて徳島と対戦する日の朝、徳島への感謝を新聞に掲載した。「ありがとう徳島」って新聞の1ページを使って広告を載せたんです。自費で。今でも大切に家にとってありますよ。

 選ばれた23人は、みんな好きです。役者の世界では11人いたら12人目はいないんです。サッカーは12人目がベンチにいる。僕らの世界と違うのは、サポートする力があることです。この23人は一丸になれる。それが、素晴らしいです。

 勝負の世界だから、勝ち負けはある。ただ、震えるような、やったねと言えるようなサッカーをしてほしいですね。いい結果で、長く夢を見て、ワイワイ言えれば、多少の寝不足なんてね。この年齢になっても、バタバタ、ハラハラ、うるうる。それが、サッカーのいいところなんです。

 (3)サッカーとは

 サッカーの魅力って、何ですかね。中学までは野球をしていて、サッカーは高校から。シュートを決めた時、今まで味わったことのない感覚で。60を超えてもそれが忘れられず。ボールに取りつかれているのかもしれない。好きなものに、理屈はないんですけど。

 23年前に鰯(イワシ)クラブというチームを立ち上げ、今も月に3試合はやっています。草サッカーのチームは多いですよ。ただ、グラウンドがない。声を大にして言いたいですね。僕はFWで10番。「不動」の10番です。灯台みたいなものですね(笑い)。一緒にやっている長男に「走れねえじゃん」って言われて、親に向かってねえ(笑い)。

 最近は勝率が下がってきて、7割ぐらいは負ける。相手を「おもてなし」している感じです。完膚なきまでにやられて。でも、最後に居酒屋で話をするのが楽しい。もちろん、試合の反省はしないですけど。

 見るのも大好き。徳島は(JSLの)大塚製薬時代から見ています。ヤンマーとか三菱とか、国立競技場にぺんぺん草が生えていた(笑い)。ただ、長く見ているだけですけど。今はJ3や地域リーグも見ますね。子どもから60歳以上の試合まで。いくら見ていても飽きないですね。本当に、サッカーが好きなんです。

 ◆大杉漣(おおすぎ・れん)本名・大杉孝。1951年(昭26)9月27日、徳島県小松島市生まれ。徳島県立城北高-明大中退。73年に舞台デビューし、74年からは転形劇場の初期メンバーとして活躍する。映画デビューは80年。幅広い役柄を演じる演技派として知られ「ソナチネ」「HANA-BI」など、北野武監督作品には欠かせない俳優でもある。音楽やスポーツなど趣味も多く、ドキュメンタリー番組やナレーションなど多方面で活躍している。家族は妻と子供2人。

<ホームでやりたい放題 ブラジルで間違いない/日刊スポーツ評論家:セルジオ越後>

 優勝候補はブラジルだろう。ホームでやるし間違いない。キープレーヤーはネイマール。彼は違いを生み出せる選手。倒されて、相手のイエローカードを誘発するから、そのうち相手は厳しいタックルができなくなる。そうなればブラジルはやりたい放題だよ。

 注目国は欧州ではドイツ、南米ではアルゼンチン。高さと力強さを兼ね備えたドイツは今回が集大成となるチームで優勝も狙える。アルゼンチンは南米でやるし、必ず上位にくるだろう。ただメッシ1人で打開する破壊力はないから、お膳立てをしてくれる選手がいるかどうかだな。

 でも僕はプロ(の評論家)として日本を応援しないといけない立場。日本が勝つことによって仕事が増える。ブラジルがいくら勝っても仕事は増えない(笑い)。でも現実的には1次リーグを突破すれば万歳だろう。点を取っている人(大久保)の選出がサプライズで、点を取っていない人がレギュラーというのが問題だ。そういうところを含めて、甘えを許さない状況にしていかないと。

 でもザッケローニ監督は、なんでノルマを設定しないんだろう。ノルマがあればそれに向けて、足りない部分を絶対に埋めようとする。例えば川崎Fで一番良い選手のレナトに、なぜ国籍取得させようと働きかけないのか。彼はブラジル代表にはなれないけど、日本代表にはなれるよね。左サイドで香川とレナト、どっちが良いかって、明らかでしょ(笑い)。

<イグアイン、メッシ 圧倒的攻撃力アルゼンチン/元代表 サッカー解説者:名良橋晃>

 アルゼンチンが優勝候補筆頭。FWメッシ(バルセロナ)、FWイグアイン(ナポリ)ら、とにかく攻撃陣が強力。守備はセットプレーで弱さを見せるときがあるが、圧倒的な攻撃力でその守備の弱点をカバーしてしまう。過去2回の優勝は自国開催(78年)と南米に近いメキシコ開催(86年)。南米ブラジル開催の今大会は「隣国のプライド」を発揮するとみている。

 1次リーグの組み合わせにも恵まれた。暑いところでの試合がない。それは非常に有利な部分。1次リーグ3戦目の会場はポルトアレグレで、アルゼンチンに近い。気候だったり、移動距離だったり、そういう戦術以外のところも重要になるのがW杯。余力を残したまま勝ち進める可能性がある。ブラジルがA組1位で抜けて、アルゼンチンがF組1位で通過すると、両国は決勝まで当たらない。そこのモチベーションは非常に高いはず。

 同じく南米のチリは上位進出の期待が持てる。チリのB組はスペイン、オランダと前回のファイナリストが入っているが、この組はチリが1位で突破すると思っている。前回大会で監督だったビエルサのスタイルを引き継ぎ、ハイプレスからの攻撃サッカーは非常に魅力的。運動量豊富でハードワークをいとわない。

 日本も前からアグレッシブに仕掛けてほしい。4年前は守備的に戦ったが、今回は自分たちのスタイルで戦って、ぜひ結果を出してもらいたい。

<香川が大活躍してバルセロナに行って欲しい/人気漫画「キャプテン翼」作者:高橋陽一>

 日本には、2大会連続の16強入りをしてほしいですね。「キャプテン翼」を描き始めた80年代、日本にとってW杯出場は遠かった。それが今、当たり前になってきています。

 漫画の中で翼くんをバルセロナに入れたのは、日本選手にも海外リーグに挑戦して、強くなってほしいと思っていたから。今はACミラン、マンチェスターUなどに日本選手がいる。やはり次はバルセロナ。香川選手にはW杯で活躍をして、バルセロナでメッシ選手やイニエスタ選手とボールを回してほしい。

 久保建英(たけふさ)くんは、10歳でバルセロナの下部組織に入団。もう翼くんを超えて、漫画の先にいると思います。日本がW杯で16強入りすることが当然になって、そういう子が代表選手になったとき、W杯優勝が見えてくると思います。

 今大会の注目国は、スイスとベルギー。スイスは、90年大会で初出場ながら8強入りした、アイルランドのようになりそう。下馬評は低いですが、チームがまとまっている。8強まで行ったらすごいことです。ベルギーは若い選手が多いけれど、面白いチームです。

 優勝は、地の利があるブラジルと予想します。ネイマール選手は所属するバルセロナで少し苦しみましたが、代表ではのびのびとプレーしています。チームにフィットしているし結果も出しています。決勝は現地観戦する予定なので、ブラジルとアルゼンチンとの熱い試合が見たいですね。

<「ネイマールの大会」になって…ブラジル優勝/元代表 サッカー解説者:福田正博>

 ブラジルが優勝する。開催国ということで、とてつもないホームアドバンテージがある。FWネイマール(バルセロナ)の活躍抜きでは語れないとも思うが、「ネイマールの大会」になれば、ブラジルが優勝することになるはず。昨年のコンフェデ杯で感じたのは、ブラジル国内でのネイマールと、スペインでの彼のプレーは全然違うということ。まだ若いが、その人気のあるFWが活躍することで、国内の後押しはさらに生まれるだろう。

 若い選手の多いベルギーは注目に値する。8強には勝ち進めると思っている。マンチェスターCで活躍するDFコンパニーは別格の働き。FWアザール(チェルシー)、MFルカク(エバートン)など攻撃の選手も充実している。それら若い選手が台頭しそうな予感。上位進出のためには、ブレークする可能性がある若い選手がいるかどうかも重要になる。

 日本も海外のトップリーグで活躍する選手が増えた。その海外で経験してきたことをぜひ出してほしい。そのためには、初戦の入り方が重要で、最低でも相手に勝ち点3を与えないことが大切になる。その結果によって2戦目、3戦目の戦い方も変わるから。

 日本のストロングポイントはまとまり。チームのために自己犠牲を払えるメンタリティーがある。ただ、その前にコンディションをどれだけ整えられるかが重要。気持ちの部分も整理する必要がある。そこが上位進出のポイントになる。

<フェライニ始め技術素晴らしいベルギー注目/サッカー通 お笑い芸人:平畠啓史>

 今大会はベルギーに注目しています。メンバーがいいんですよ。マンチェスターUのMFフェライニ、チェルシーのFWアザール、マンチェスターUの若手FWヤヌザイも楽しみですよね。プレミアリーグでプレーする選手が大勢いる。それも主力として活躍している選手です。国を挙げ育成してきた成果なのか。次々と好選手が出てくる。

 かつてのベルギーは、大きな選手がドーンドーンというイメージがあった。でも、今は違います。技術的に素晴らしい。うまい選手が多いんです。日本代表は02年大会で勝っているし、昨年も親善試合で勝った。だから、日本での評価が高くないけれど、強さはありますよ。大会にしっかりと合わせてくれば、上位も狙えると思っています。

 優勝は、アルゼンチンかな。前線にタレントがそろっているし、守備だって悪くない。もちろんメッシには期待しますが、それ以上に注目しているのはMFディ・マリア。すごい選手ですよ。必見ですね。ブラジルは中盤から後ろはいいんですが、トップが弱い。ベスト4ぐらいまでは楽に行きそうですが、コロリとやられてしまうような。

 もちろん、日本は楽しみです。頑張ってほしい、応援したい、という気持ちもあるけれど、それ以上に楽しみ。日本らしい組織で連動した攻撃的なサッカーを貫いてほしい。負けた時にも「これだけやった」と胸を張れるような、次につながるような試合を楽しみにしています。

















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