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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


石原裕次郎賞

「武士の一分」山田洋次監督

壇上で話し込む山田洋次監督と石原まき子さん
壇上で話し込む山田洋次監督と石原まき子さん

授賞式

 山田組「武士の一分」グループに、山田洋次監督(76)が「仕事納め」の指揮を舞台から出した。共演者として登壇した笹野と檀に石原まき子さん(74)との握手を勧める。その直後には自らがっちりと握手した。96年、第9回の「学校2」以来の11年ぶり2度目の石原裕次郎賞。「大変名誉なこと」と重みをかみしめた。

 木村とは13年前のこの授賞式で初めて会っている。「目に力のある若武者。ぜひ使ってみたい」。94年の石原裕次郎新人賞受賞者を鍛えようと考えていた。今回それが実現した。「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に次ぐ藤沢周平作品3部作の完結編として、有終の美を飾った。

 来年1月26日からは吉永小百合(62)主演の最新作「母(かあ)べえ」が公開される。武家社会から1940年(昭15)の東京に時代設定は変わっても、名もない人のささやかな日常生活の中にある喜怒哀楽を描く姿勢は変わらない。

 ただ、撮影所で映画に携わる人を育てた時代は変わりつつある。「では、どんな形で映画を学び、スタッフを育てていくのかが日本映画の課題だと、泉下で石原裕次郎さんも思っていらっしゃる」。これからの映画人に託すメッセージでもある。

 式の終了後、山田監督はまき子さんと名残惜しそうに言葉を交わしていた。「住んでいるところを散歩して足を鍛えましょうね」。こちらは同じ時代を生き、映画に協力してくれる人へのエールでもある。【赤塚辰浩】

 [2007年12月29日 紙面から]

「武士の一分」
 三村新之丞(木村拓哉)は妻の加世(檀れい)、仲間の徳平(笹野高史)と幸せに暮らしていた。だが、藩主の毒味役を務め失明してから歯車が狂い始める。加世は番頭・島田のわなにはまり、新之丞は武士の一分をかけて復讐(ふくしゅう)を誓う。山田洋次監督。
山田洋次(やまだ・ようじ)
 1931年(昭6)9月13日、大阪府生まれ。東大卒業後、54年に松竹入社。61年「二階の他人」で監督デビュー。主な監督作は「男はつらいよ」シリーズ、「学校」シリーズのほか「幸福の黄色いハンカチ」「息子」など。藤沢周平作品「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」はともにベルリン映画祭コンペ部門に出品され、「たそがれ-」はアカデミー賞外国語作品賞にもノミネート。
作品賞&監督賞 「それでもボクはやってない」 周防正行監督
主演男優賞 木村拓哉「武士の一分」
主演女優賞 竹内結子「サイドカーに犬」
助演男優賞 笹野高史「武士の一分」
助演女優賞 樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
新人賞 新垣結衣「ワルボロ」「恋空」
外国作品賞 「硫黄島からの手紙」ワーナー・ブラザース
石原裕次郎賞 「武士の一分」山田洋次監督
石原裕次郎新人賞 該当者なし
ファン大賞 「HERO」「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
功労賞 北野武監督、鈴木京香


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