岸田文雄首相は17日、LGBTなど性的少数者を支援する団体と官邸で面会し、元首相秘書官による差別発言を謝罪した。「極めて不適切。多くの方に不快な思いをさせたことを心からおわびを申し上げたい」と述べた。

今月3日に元秘書官の差別発言が出た後、首相が関係者に直接謝罪したのは初めて。「多様性が尊重され、すべての人々が互いの尊厳を大切にする社会を目指すべく努力していかなければならない」と述べた。

面会は、予定時間を超えて約50分に及んだ。「プライドハウス東京」「LGBT法連合会」「ReBit」の3団体の関係者が出席した。

出席者によると、首相は1日の衆院予算委員会で、同性婚の法制化に関して「社会が変わってしまう課題」と発言した真意について「ネガティブな意味ではない」などと釈明。今後は、団体側の意見を参考にする考えも示したという。

支援団体側は面会の中で、首相に差別禁止法や同性婚の法制化を要請した。LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は、面会後の取材に「(この日の面会を経て)抜本的に政策が加速し、変化していくことを期待している」と話した。

首相はまたこの日付で、森雅子首相補佐官を、新たにLGBT理解増進担当に任命した。性的少数者の人権問題を専門に担当する首相補佐官の創設は、支援団体側が求めていた。