「東日本大震災を当時3歳で経験した子どもたちが、みなさんのご支援で小学校最後の試合(ファイナルカップ)を戦うことができました。これまでの応援、本当に感謝です」

釜石シーウェイブスジュニアRFCの前川靖展監督は先頃(2月16日)、ラグビーW杯決勝の地である日産スタジアムのグラウンドに立つ選手を見ながら、感慨深げに語った。2年前にも同大会には初めて参加しているが全敗。今回は勝ちこそなかったものの、神奈川の強豪相手に引き分けをもぎ取った。

「(対戦相手は)みなさん体が大きくて、釜石の良さである『前に前に』という戦い方ができなかった。でも、元気よく、みんなでボールをつなぐラグビーを楽しめました」(同監督)。

同スクールのジュニア部門は約60人。水曜と日曜が練習日だ。「北の鉄人」たちの誇りを受け継ぎ、ラグビーに寄せる熱き思いを秘めたラガー魂が宿る。

「ラグビーは小さい子から大きい子まで、いろんな子に合ったポジションがあるスポーツ。一緒にボールを追いかける体験は得がたいものがあります。まずはグラウンドに足を運んでもらって、このだ円球を触るところから始めてもらいたいですね」(同)。