今年から1400メートルにリニューアルされた一戦は、北村友一騎手(38)が乗る10番人気ワイドラトゥール(牝4、藤原英)が、見事な追い込みで重賞初制覇を果たした。

スタートで後手に回ったが、直線で外に出すと、内の馬たちを一気にかわし去った。この後は、ヴィクトリアM(芝1600メートル、5月18日=東京)でG1制覇を目指す。

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芦毛馬4頭が先頭に並んだ直線の坂下、大外を通って鹿毛馬はやってきた。北村友騎手が「おとなしくてかわいい」と評する426キロのワイドラトゥールが、風のように馬場を駆け抜ける。全馬をかわしさり、完全に抜けたところがゴール板だった。「4コーナー手前で動かしていった時の反応が良くて、それが馬場のいいところを通りながら持続した感じ」。鞍上は見事な追い込みを振り返った。

愛知杯は昨年まで2000メートルで行われていたが、今年から1400メートルに。希少な短距離の古馬牝馬限定重賞とあって、スプリンターの逃げ馬を含め、多くの快速馬が顔をそろえた。だからこそ、陣営はハイペースになると読んでいた。

「そんなに(前の馬に)ついていかなくてもいいだろうと思っていた」と北村友騎手。藤原英師は「ハイペースはハイペースでも、どれだけ速くなるかやな」と固唾(かたず)をのんで戦況をみていた。

結果、前半3ハロン通過が32秒7という超ハイペースに。前日に同コースで行われたファルコンSより1秒7も速く、スプリント重賞並みの激流だった。鞍上が話すラトゥール最大の武器「瞬発力」が最も生きる流れ。師は「馬も人も100点満点」と絶賛した。

母ワイドサファイアも藤原英師が手がけた馬。「それだけに思い入れが強い」という。そんな愛馬ラトゥールで次はG1、ヴィクトリアMに挑む。「これからマイル仕様にしていく」。名伯楽は8週間先をにらむ。【岡本光男】

◆ワイドラトゥール ▽父 カリフォルニアクローム▽母 ワイドサファイア(アグネスタキオン)▽牝4▽馬主 幅田昌伸▽調教師 藤原英昭(栗東)▽生産者 フジワラファーム(北海道新ひだか町)▽戦績 10戦4勝▽総獲得賞金 8479万円▽馬名の由来 冠名+フランスの地名

◆カリフォルニアクローム産駒 JRA重賞は産駒のべ8頭目の出走で初勝利。これまでは24年フラワーC5着のエルフストラックが最高着順だった。