いよいよマダイが乗っ込み期に突入した。「乗っ込み」とは魚が産卵に関連して浅場に群れで移動する行動のこと。特にマダイのオスは体が真っ黒になる婚姻色をまとうようになる。その黒ずんだマダイが出てきた東京湾では3月17日から千葉2地区、神奈川2地区で3匹の重量勝負のマダイダービーが開幕した。八景「太田屋」の教室の様子をリポートする。

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 東京湾のマダイが乗っ込みに入ってきた。

 オスは力強く真っ黒に染まってくる。サクラの花が咲いて散るころ、マダイは子孫繁栄を目的として浅場で産卵行動に出る。その一連の活動様式を「乗っ込み」と称すのだ。食い気もあり、大きなマダイが釣れる時期でもある。

 八景「太田屋」では、毎月実施するマダイ釣り教室が3月31日に開催された。参加者は7人。本紙釣り速報欄の担当スタッフの大木ナオヤは昨年末から継続して参加しているが、他6人は初めてになる。太田屋の常連で教室の講師を務める新井利行さんは「タナさえつかめれば釣れるはず。ハリにエサがないと釣れない。だからコマメに確認する。それと仕掛けが船の中にあっては釣れない。ごくごく当然のことだけど、大事ですね」とアドバイス。

 ちなみに「タナ」とは魚の泳ぎ回る層を指す。実釣では、太田一也船長が「上からタナをとってね。マダイは警戒心が強いから、底にカゴを落としたのを察知しただけで逃げちゃう。だから、仕掛けは上から落とし込んでネ」と説明した。

 場所は久里浜沖の水深50メートル前後で、タナは35~43メートルだった。この日の最重量2・3キロは、マダイ釣り初体験の武井啓二さんで太田屋のHPで教室を見つけて応募した。「サオ先が突然不規則な動きをして震える。この瞬間はワクワクしますね。1匹バラしていたし、釣れてよかった」と胸をなでおろした。

 潮止まり前にマダイが動いた。指定ダナは30メートルだが、魚が浮いたため、さらに2メートルあげて28メートルにした直後に船各所でサオが曲がった。残念ながら釣果ゼロは2人。紅一点の高橋千晶さんは「マダイは釣れずにアジ1匹を釣りました。でも、釣り方の手順をしっかり教わったので、次回頑張る」。また、4月も教室を実施する予定。みなさん、マダイ、釣りましょ!

 ▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイ教室は講習会からスタートするので、午前6時集合、20分後に講義、同7時15分出船。エサ、氷、レンタルロッドを含めて男性1万500円、女性&子どもは7000円。次回は未定。木曜定休。