初心者や釣りの経験が少ない親子にその楽しさを知ってもらう「第3回親子釣り教室」が16日、東京・練馬区の「としまえんフィッシングエリア」で開催された。

11組22人の小学生親子が参加し、ニジマス釣りに挑戦した。ブラックバス釣りのトッププロである茂手木祥吾コーチ(43=キャスティング)から、仕掛けの振り込みやアワセなどの釣り方から指導を受けた。さらに、釣った魚をハサミでさばいて、塩焼きにして食べた。やったことのなかった体験に、誰もが満足な表情をしていた。

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釣り堀はお手軽なレジャーだ。ただ、初心者親子にはハードルが高い。「どこに釣り場所があるの?」「どうやって釣るの?」。素朴だが、重要な疑問だ。そこは教室という形で場所を提供し、告知する。「としまえんにあったんだ」。自転車で約10分と至近距離から訪れた親子もいた。

釣り方は、茂手木コーチと、仲間の4人のコーチがしっかりフォロー。仕掛けの解説、エサとなるイカの切り身の付け方、サオの振り方などを覚える。次に、ウキが沈んだらニジマスが針に掛かっているので、釣れたら竹ザオの弾力でしならせ、手首を返して取り込むといった対処方法も伝授してもらった。

さあ、実釣。エサ釣りエリアは右から左へと流れている。その中心にエサを落とし、流れにウキを乗せてアタリを待った。

ともに初めて釣りをしたという平野光宣さん(43)莉帆(りほ)さん(小4)親子は、チラシを見て応募。「2人とも何も知らなかったけど、これなら楽しめる」が理由だった。莉帆さんは単独で1匹釣り上げた。2年前、家族4人でここに来ながら釣果ゼロだった牛久元君(小4)は、父の哲さん(46)の1匹を上回る3匹を釣り上げた。「コーチに教えてもらって頑張ったら釣れた」。

淡水魚初挑戦の瀧本晃也君(小6)は、カツオの一本釣りのように豪快に抜き上げた。2時間ほどで4匹確保とトップ賞だ。「小2までいた山口県周南市では海が近くにあり、アジ釣りを楽しんでいた。小3で練馬区に引っ越した後、全くしていなかった。ここでできるとは知らなかった」と、釣り再開を喜んだ。

奥田栞さん(小3)は30分も経過すると、うまく仕掛けが振り込めるようになった。ウキが沈んだ後にうまく食わせられなかったが、最後に1匹確保できた。吉冨圭治君(小4)も、「3~4回あたりはあったけど、バラした。釣れた時はうれしかった」。

中にはゲームから興味を持った小学生もいる。中村心音さん(小3)は釣りゲームを楽しんでおり、「試しに1回やろうかなと思った」という。

きっかけはさまざまだが、サオを握って釣れれば誰もが面白くなる。茂手木コーチは、「子供は慣れるのが早い。進化には驚かされる」と舌を巻いた。ポカポカ陽気で水温が上がってニジマスの食いは渋くなったが、教室終了までに全員が1匹は釣っていた。

「釣り堀は少年時代の釣りの入門編。楽しんだ思い出が残ったお子さんが、大人になった時、親子で始める入門編として、2人で好きになってもらいたい」。釣り場の皆川界支配人(37)はこう期待していた。【赤塚辰浩】

【としまえんフィッシングエリア】

▽営業 来年5月6日までの予定。時間は7時~20時。

▽料金 平日男性1時間1200円(土・日・祝1300円)から、女性・高校生同900円(同1000円)から、65歳以上と中学生以下同700円(同800円)から。小学生以下は保護者同伴のこと。

▽レンタル ルアー&フライ(ロッドとリールのセット)3時間まで1100円から、保証金1000円(返却時に返金)。エサ釣り用のサオと仕掛けのセット同600円から。ルアー400円から、フライ200円から。エサ1パック200円。

▽持ち帰り 50センチ以下の魚は1時間券3匹から。50センチ以上は6時間以上で2匹、それ以外は1匹だけ。別途1キロ2000円。有料の保冷バッグあり。

▽問い合わせ 電話03・3577・9978。https://www.t-fishingarea.com/。