産卵前の脂が乗ったジャンボイサギを求めて4日、中紀・日高町阿尾港の乗合船「共栄丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で日ノ岬沖へ出た。朝イチからイサギの活性が高く、次々に竿が曲がり竿頭で午前11時すぎまでに28~40センチを44匹釣り上げた。獲物はぼってり肥えていて卵や白子を持っており、40センチ級は迫力満点だった。

朝の時合に良、大型のイサギが次々に竿を絞り込んだ! 港を出て約20分。夜明け前に40センチ級が狙える1級ポイントの「トフ」に入った。水深は49メートルで底には人工漁礁がある。鉄仮面(スチール天秤)にアミエビを八分目ほどに詰め、脇山雅人船長の合図で仕掛けをいっせいに投入。底から7メートルほど切ってから、水深35メートルまで探り上げていく。

2メートルほど引き上げるたびにまき餌を小出しにしながら反応を待つと、水深40メートル付近でクックッとアタリがきた。少し待ってから引き上げるとグングングンとロッドが曲がる。取り込んだのは腹がぼってりとした32センチのダブル。「これはうまそう。白子を食べるのが楽しみだな」と思わずにんまり。周りも好調で、連掛けこそ少ないが、どれも型がよく、丸々と肥えたイサギに同乗者が笑顔で釣っていく。

空が明るくなってくると、食いが落ちてきたが、まき餌がしっかり効きだしたせいか、サイズがアップ。指示ダナの上層で大型を狙う村上昇さん(河内長野市)の竿がグッグーグーとひときわ大きく絞り込まれ、40センチをゲット。「でっかいのは引きが全然違うわ」と笑みをこぼす。左舷の和泉博己さん(岩出市)も、体高のある迫力満点の40センチを仕留め「今年は大きいのがよく釣れるね」と満足そう。

また、船尾では辻野哲央さん(堺市)の手返しの良さ、まき餌ワークの的確さが光った。手持ち竿で、しっかりとイサギの反応をとらえながら食いダナに素早くまき餌を集中させ、イサギの活性が上がってくると、少しずつ上ダナを攻めていき、メタボな良型を次々に取り込んでいく。まさに海の中が見えている感じ。

そして終了間際の午前10時すぎ、下り潮が速くなってくると2回目の時合が到来。最後の追い込みとばかりに入れ掛かりを堪能し、午前11時すぎに納竿した。竿頭は辻野さんで28~40センチを44匹ゲット。良型ぞろいの好釣果に大満足で沖をあとにした。イサギは乗っ込みの最盛期。今が狙い時ですよ。【中村和嗣】

◆脇山雅人船長の必釣アドバイス イサギ釣りは刺し餌とまき餌(アミエビ)を同調させることが大事です。カゴを振ってまき餌を少しずつ出し、仕掛けの長さ分だけ引き上げて待つ。これを繰り返してタナを探ってください。大型のイサギは上層にいます。追い食いをさせるには1匹掛かったあと、あわてずにそのままゆっくり引き上げるといい。また、取り込み時のバラしを防ぐために、タモを持参するのもお薦めです。

【今後の見通し】6日に45センチのジャンボイサギが釣れており、例年に比べてサイズが大きいのが今シーズンの特徴だ。7月末まで30~35センチを中心に40センチ級まじりで、数、型とも期待できるだろう。また、7月の中旬からは半夜のアカイカ釣りも始まるので楽しみ。

【問い合わせ】「共栄丸」【電話】0738・64・2318。乗合船料金は1万2000円(餌、氷付き)。朝便は午前3時30分まで、午後便は午前11時までに港に集合。レンタルの電動リールセット(竿受け付き)2000円、手巻きリールセットは1000円。

【交通】阪和自動車道の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡り、県道26号を走って財部の信号を右折し国道42号を北へ。JR紀勢本線の紀伊内原駅前の信号を左折。県道189号、同24号を走り、阿尾港へ。

和歌山のイサギ釣りは「日刊銀鱗倶楽部加盟店」におまかせ! 美浜町の「福丸観光漁業」【電話】0738・23・1091、「千代丸」【電話】同・23・1621、南塩屋の「谷野丸」【電話】同・22・4487、湯浅の「かるも丸」【電話】0737・62・3527、「なぎ丸」【電話】同・62・3890がある。