暖冬とはいえ、淡水でも海上でも釣りをしていると急に冷たい風が吹くことだってある。防寒対策さえしておけば、心配はない。寒ブリ、寒ブナなど「寒」が頭につく魚をはじめ、これから旬を迎えるヒラメやアマダイ、ワカサギなどを釣りに行くときに、実践してみてください。バスプロでフィッシング・コーディネーターの茂手木祥吾さん(48)に防寒の服装について解説してもらいます。釣りには関係なく外で仕事をする人、アウトドアレジャーを楽しむ人も必見です。
★「事前に気温チェックを」
この時季、釣り場の天気は急変する。どこで冷えるのか分からないし、1日の中でも気候の変動が激しい。「防寒対策は必須事項です。基本の構成として一番上に着るアウター、中に着るミドラー、肌に最も近い部分で着るインナーの3種類で重ね着します。船の上だとこまめに着脱できないし、着ぶくれするだけだと動きづらい。私は多くても4枚」(茂手木さん)。
冷えた体を温めるのは難しい。厚着して釣り場や船まで車の中からサオやクーラー、道具の入ったバッグを運んだはいいけれど、汗をかいたため、かえって体が冷えてしまった経験がある人もいるだろう。
「事前に天気予報で、釣り場の当日の最低気温と最高気温を必ずチェックします」。最低0度、最高10度なら、風を通さないアウター、フリースや起毛付きのトレーナーやフランネルシャツ、中綿入りダウンなどからミドラーは2枚、発熱素材を使ったインナーで計4枚の重ね着とする。暑ければ、ミドラーを1枚にする。自分の体がおでんの「きんちゃく」のように、中の具材までしっかり温まっているイメージになればいい。
◆アウター 中で温まった空気を風で逃がさない工夫が必要。ナイロン、PU(ポリウレタン)、ゴアテックス素材などを要所に合わせて使い分ける。湾内でナギなら、ナイロン素材のアウトドア系ウエアで大丈夫。波をかぶるような外洋とか雨予報の場合、フード付きの防水性、撥水(はっすい)性の高いPUやゴアテックスを使った専用メーカーのウエアを買うのがベスト。
◆ミドラー ボリュームのあるフリース、トレーナー、襟付きシャツなど、何を選ぶかはお好みで。
◆インナー 汗をかいてもこれを吸って外に水分を出すのと、保温性の両面を兼ね備えた素材の「ソルファイバー」を推奨する。この素材、生地に導電発熱カーボン粒子が練り込まれており、遠赤外線が体温に反応して温かいところから低いところへと熱が伝わる。汗を蒸発させながら、遠赤外線の輻射(ふくしゃ)熱で体が冷えるのを防いで保温する。上下と靴下をこれでそろえれば、釣り場で威力を発揮してくれる。あとは登山をする人が愛用している天然繊維の「メリノウール」。こちらは保温性に優れ、湿気も吸収して外に出してくれる。防臭性もあって軽い。
茂手木さんは、「釣りのウエアで最もお金をかけるのは、インナー。機能性に優れて、体がかゆくなったりチクチクしないものを選んでください」と話していた。【赤塚辰浩】
■温熱ベスト+ネックウオーマー
温かさを保つための新たなグッズもある。温熱ベストがいい例だ。夏の暑さ対策のファンベストの「冬版」と思えばいい。モバイルバッテリーの進化で、コタツか湯たんぽのような保温力で釣りができる。衣服に装着する後付けヒーターをアプリでコントロール。スマホで温度の調整ができる。「釣り発のスグレものが、一般に普及する可能性を秘めている」(茂手木さん)。
あとは、キャップフード。頭部と首をすっぽりと覆う。温かい空気が最も抜けやすいのは首回り。大きな血管の通る頸(けい)動脈を温めるのとフードの効果で体感温度が3~5度上がる。ネックウオーマーやタオルを首に巻く釣り人も多い。これなら「一石二鳥」だ。
◆茂手木祥吾(もてぎ・しょうご)1976年(昭51)5月26日、東京都練馬区生まれ。3歳のころから祖父や父に連れられ、釣りを開始。船、磯、渓流からルアーまですべてをこなす。23歳でバスプロに。12年、国内最高カテゴリーのバストーナメントで福島・桧原湖で優勝。現在フィッシング・コーディネーターという形で、さまざまな釣りのイベントや企画番組などのインストラクター、実技指導をしたり、カメラマンとしてSNSや媒体でのプロモーション活動の手伝いをしている。また、いろいろな釣りのガイドとしても活躍中。








