自分が信じている「○○すべき」という「べき」が裏切られたとき、私たちは怒ります。仕事はこうするべき、連絡はこうするべき…自分の中に持っているさまざまな「べき」。アンガーマネジメントでは「コアビリーフ」と呼んでいます。コアは核、ビリーフは信じるもの。自分が信じている価値観、当たり前と思っているルールです。

 怒りには3つのステップがあり、第1段階は出来事との遭遇、第2段階はその解釈、意味づけと、以前、お話ししました。意味づけのもとになっているのがコアビリーフです。コアビリーフと上手に付き合えるようになると、怒りの感情をコントロールしやすくなります。

 三重丸をイメージして下さい。一番内側の円は「許せるゾーン」です。2番目の円は「まあ許せるゾーン」、一番外側が「許せないゾーン」です。待ち合わせするときに「5分前に来るべき」と考えている人もいれば、「5分くらい遅れてもいいんじゃない」という人もいます。三重丸は人によって違います。それぞれの三重丸は見えないため、待ち合わせても小さなイライラが生じます。無駄にイラつかないためには2番目の円を大きくすることです。100点ではないけれど、「まあいいか」という範囲を広げる。日ごろ、三重丸をイメージしていない人は「許せる」「許せない」の2極で考える傾向があります。100点でないからとイライラする。

 待ち合わせなら「5分前に来るべき。時間を過ぎたのにまだ来ない」とイラつくのではなく「連絡すれば多少遅れても」と2番目の円を広げる。アンガーマネジメントは「衝動」「思考」「行動」の3つのコントロールから成り立っています。思考のコントロール法のひとつが三重丸を思い浮かべることです。