<狭心症・心筋梗塞(2)>

 狭心症・心筋梗塞で緊急搬送される人は、やはり冬場が多くなります。冬の寒い朝に目覚めると、「胸が締め付けられる」と訴える人がいます。冬の方が末梢(まっしょう)血管は寒さで締まって心臓に負荷がかかり、症状が出やすくなります。そのような時は、「寒いから」「年だから」と考えずに、まずはその症状の原因を見つけるよう、放っておかずに循環器内科で原因を調べてもらうくらいであってほしい。健康長寿には、その気持ちが必須です。

 なかには狭心症にもかかわらず、症状が「胃が痛い!」ために消化器内科を受診する人もいます。消化器内科医であるとともに、総合内科医として地域に貢献すべく考えている医師であれば、胃に原因がないとわかると疑われる疾患から循環器内科を紹介します。そのようになるとベストです。

 しかし、ベストな状況が常に訪れるとは限りません。だからこそ、普段から予防が大切なのです。予防で重要なのは、(1)「禁煙」(2)「栄養バランスの良い食事」(3)「塩分を取り過ぎない」(4)「適度な運動」(5)「メタボにならないようにする」(6)「ストレスを上手に解消する」(7)「血縁者に狭心症・心筋梗塞の人がいる場合は生活習慣の改善を行う」。この7項目です。

 喫煙は動脈硬化をもたらすのみならず、血圧にも悪影響を及ぼします。そして、食事はメタボリック症候群(メタボ=代謝症候群)を抑える食事で、それが「糖質、脂肪の取り過ぎに注意!」となります。運動はウオーキングなどの有酸素運動を適度に行いましょう。歩数にすると1日8000歩程度歩けると良いでしょう。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)