ダイエット時に間食はご法度といわれますが、「3時のおやつ」は太りやすいのでしょうか?

 答えは「NO」です。午後3時ごろは、食べても最も太りにくい時間帯です。3時のおやつに大量のお菓子を食べるのはもちろん論外ですが、適量を食べるなら、それほど太ることはありません。

 それは、「午後3時ごろ」という時間に秘密があります。人間の体には「BMAL1(ビーマルワン)」という脂肪を蓄えるタンパク質がありますが、その量は1日のうちで変化します。量が最も少なくなるのは、朝起きてから6時間後。例えば朝7時に起きた人なら、午後1時です。その後、午後4時ごろからBMAL1の量はしだいに増加します。そのため、それより前の午後3時ごろなら、おやつを食べても太りにくい、というわけです。

 逆に脂肪をため込むBMAL1の量がピークに達するのは、朝起きてから18時間後。朝7時に起きたなら深夜1時ごろとなり、この時間帯に何かを食べるのは厳禁です!

 また、ちょっと意外な研究結果なのですが、お店や家の食卓には、やせる席と太る席があるのです。

 米国で行われた実験研究によって、そんな驚きの事実がわかりました。窓際や明るい照明の席ではヘルシーな食べ物が、逆に暗い席や個室では重たい食べ物が、それぞれ多く注文される傾向にあるのです。

 また、入り口近くのおしゃれなカウンターテーブルに座る人はサラダを多く頼む一方、デザートをあまり食べず、入り口から離れた席では逆にサラダを頼む人が減り、デザートを食べる人は73%も増加。これは、人目を気にするかどうかの問題でしょうね。さらに、テレビに近い席ではフライを頼む人が多いそうですよ。

 この実験結果は家の食卓にも取り入れられそう! 明るい照明をつけてダイニングをおしゃれにし、テレビを置かないようにすると、ダイエットに有効かもしれません。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。