同じ量を食べるとしたら、1日の食事の回数は何回がいいでしょう? 朝昼晩の3回、と言いたいところですが、「4回」なんです。

 合計で同じ量、同じカロリーの食事をするなら、食事は「分食」して回数を多くするほどベターです。1日2食など回数が少ないと、ドカ食いをしてしまうことが多いからです。また、空腹後に食事をした後の血糖値は急激に上昇することが多く、これが肥満の原因になります。血糖値が急激に上昇すると、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンが脂肪をため込み、肥満を導いてしまうのです。そのため、なるべく食事は分けて食べ、ドカ食いを避けることが大切です。

 特に、朝食を抜く1日2食はNG! です。そもそも朝食で摂取したエネルギーのほとんどは代謝され、体に脂肪として蓄えられにくいもの。そこで朝食はしっかり取り、活動的に1日を過ごして消費カロリーを上げた方が、ダイエットにもいいのです。

 運動で一番やせられる時間があることをご存じですか? それは「空腹時」です。食事をしてから時間がたつと血糖値が下がり、それを脳にある満腹中枢が感知することで、私たちは空腹を感じます。このタイミングで運動して、より血糖を消費しようとすると、体は予備のエネルギーである脂肪を利用するのです。

 逆に満腹で血糖値が高い状態だと、運動してもまず血糖が使われることで終わりがち。そこで脂肪を燃焼させるためには、空腹時に運動をするのがもっとも効果的なのです。ただし血糖値が低いときに、あまり激しい運動をすると、低血糖による症状が出てしまうことも。そこでジョギングやウオーキングなど適度な運動がお勧めです。

 “ぽっこりおなか”に効果的なトレーニングというのもありますよ。それは「自転車こぎ」。「おなかやせなのに、なぜ自転車!?」と思うかもしれませんが、下半身を使うからです。太ももの大きな筋肉、大腿(だいたい)四頭筋をはじめとして、体の筋肉の70%は下半身についています。それを意識して動かすことで効果的に脂肪燃焼できるのです。

 ほかにお勧めのトレーニングは、水泳です。全身の筋肉を動かす運動のため、脂肪燃焼には最適です。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。