医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。 71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。

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第39回は「鎌田式ワイドスクワット」

◆メタボが増加する

東北大学の研究では、ウオーキングの有酸素運動だけでなく、筋力強化を組み合わせたトレーニングが認知機能を改善すると報告しています。

コロナ騒ぎで、サルコペニアという筋肉の萎縮と、皮下脂肪や体内脂肪の増加によるメタボも間違いなく増えます。

◆ワイドスクワット

そこで、効率の良い「鎌田式ワイドスクワット」をおすすめします。手を組んで脚を大きく開き、足首をハの字に広げ、腰をゆっくり、太ももが地面に平行になるまで落とす。そこからもとのポジションへ戻ります。10回で1セット。

1日3セットしましょう。普通のスクワットよりも大腿(だいたい)四頭筋の強化に優れています。膝関節の負担も少ない。

美脚、美尻にもつながります。ワイドスクワットで血糖値が下がるので、慢性炎症を減らせます。当然認知症のリスクも減ります。

◆目標を持つようにしている

ぼくは、毎年、イラクの難民キャンプで診察をしていますが、80歳になっても続けられるような足腰をもっていたいですし、90歳になっても大好きなスキーで、キレのいいターンができたらいいなと思っています。そんな楽しみのためにスクワットを行っていると思うと、やる気もわいてきます。

◆筋肉を動かせば、マイオカインが出る

スクワットの効果は、筋肉の強化だけではありません。筋肉が動くときに分泌する物質「マイオカイン」が、認知症リスクを下げる働きをすることがわかってきています。また、血圧を下げ、がんや脳卒中、糖尿病、うつ病など、さまざまな病気を予防する効果があります。