(34)『血圧拡張物質NOを増やす食材とは』

高血圧を改善するため、筋肉を緊張・弛緩(しかん)させたときに産生される物質・一酸化窒素(NO)が役立つことを前回紹介した。栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長が考案した「座るスクワット」は、イスの前でスクワットのような姿勢になり、座椅子に腰を掛ける直前に10秒間止めて、座ったときに脚の筋肉を緩めてNOを産生する。血圧改善と太ももの筋肉強化の一石二鳥で患者に喜ばれているという。さらにNOを産生しやすい方法がある。

「NOの産生を増やすには、3つの食材が重要になります。<1>NOの材料になるLーアルギニン(大豆食品や魚、肉類などに含まれる)。<2>NOの産生に関わるL-シトルリン(メロンやクコの実など)。<3>産生されたNOを保護する抗酸化物質(ビタミンCなど)を含む食材を意識しましょう」

<1>~<3>を満たすには、肉類や魚類、メロンのようなウリ科の野菜、さらには、ビタミンCが豊富なトマト、ピーマン、ブロッコリーなどを料理に取り入れるとよいそうだ。

「野菜や海藻類、豆類などは、余分な塩分を排出するカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維も豊富に含みます。もちろん、減塩は意識していただきたいのですが、NOを増やすとともに、塩分を排出する食材も意識して食べていただきたいと思います」

自宅で料理に腕を振るうときには、NO産生に役立つ食材や塩分を排出する食材を選び、減塩の味付けを心掛けよう。